過去のセミナー案内:19年度
2008年3月
- 『東南アジア史研究の資料と方法』研究会
- 東南アジア史における人の把握:国家・「民族」・植民地主義
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- 日 時:2008年3月31日 10:30-17:30
- 場 所:
東南アジア研究所 東棟 E207
- プログラム:
午前の部 10:30-12:15
「はじめに」(小泉順子 東南アジア研究所)
「英領マラヤにおける人口統計の変遷とマレー人概念の形成」(坪井 祐司 学 習院大学)
「センサスと教科書―英領マラヤのマレー語学校教育における植民地的知の現地 化」(左右田直規 東京外国語大学)
午後の部 13:30-17:30
「仏領コーチシナの地方統治と人口の把握をめぐって」(高田洋子 敬愛大学)
「135の民族から成るミャンマーの成立」(伊東利勝 愛知大学)
(休憩)
「18世紀末葉スペイン領フィリピンにおける「パドロン」について(仮)」 (菅谷成子 愛媛大学)
「1778年中越国境密入国事件を通してみるベトナム国家の人的把握と「外国 人」」(蓮田隆志 大阪大学)
(休憩)
全体討論
*萌芽的アイディアをめぐるブレインストーミング的な会ですが、ご関心のある方々の参加をお待ちいたします。資料準備の都合から事前にご一報いただけますと幸いです。
- 連絡先:小泉順子(jkoizumi@cseas.kyoto-u.ac.jp)
- 第1回「世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業―南アジア周縁地域の開発と環境保全のための当事者参加による社会的ソフトウェア研究―」研究報告会
- 東南アジア研究所共同研究会「農村開発における地域性」と下記の文部省科学省委託事業との合同研究会を開催いたします。興味のある方は是非、ご参加ください。
- <事業目的>
「開発と環境保全の両立」という二律背反的なグローバル・イシューに挑戦するため、南アジア周縁地域のバングラデシュとネパールで活動する現地NGOとの共同作業により、開発と環境保全に実践的にかかわっているNGOや住民などの当事者的社会的ニーズと個々に蓄積している経験知を分析、整理、相互学習し、報告書、参加型アクション研究計画にまとめる。日本の南アジア地域に対する国際協力の進展に貢献・活用できる「社会的ソフトウエア」を事例的に実践型地域研究の成果として提言することを目的とする。
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- 日 時:平成20年3月28日(金)14:00 - 16:30
- 場 所:
京都大学東南アジア研究所東棟2階セミナー室
- プログラム:
14:00-14:10
「事業紹介―実践型地域研究の摸索―」(安藤和雄 京都大学東南アジア研究所)
14:10-15:10
「サイクロン被害で活躍するNGOの現場より」(南出和代 京都大学地域研究統合情報センター)
15:10-15:50
「平成19年度事業活動進展中間報告」(矢嶋吉司 京都大学東南アジア研究所)
15:50-16:30
総合討論
- 問い合わせ:安藤和雄(CSEAS)
- 第36回「東南アジアの社会と文化」研究会
- 「東南アジアの社会と文化」研究会を以下のとおり開催いたします。オープンな研究会ですので、ふるってご参集くださるようお願いいたします。
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- 日 時:平成20年3月21日(金)16:00 - 18:00 (15:30 開場)
- 場 所:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
中央総合研究棟(旧・工学部 4 号館)4 階 会議室(AA447)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html
- 話題提供者:伊藤友美(神戸大学)
- 演 題:タイで上座部比丘尼サンガの復興は可能か?―出家の正当性をめぐる諸問題―
- 要 旨:
元来、仏教には男性出家者集団である比丘サンガとともに女性出家者の比丘サンガが存在していた。比丘尼サンガは、ブッダが叔母のマハーパジャーパティーを最初の比丘尼として出家させて以来、インド各地にその足跡を残し、アショーカ王の娘サンガミッター長老尼によって、セイロン島に伝えられた。その後、セイロン島の比丘尼サンガは、10世紀末ないし11世紀までに滅んだ。東南アジアには、大陸部・島嶼部とも、比丘尼サンガが存在したという議論の余地のない碑文の証拠は発見されていないという。現代に至るまで、長らくスリランカ、タイなどの上座部仏教圏の国々では、女性の比丘尼出家は不可能なものと受け止められてきた。
1996年12月、上座部仏教を信仰する10名のスリランカ人女性が韓国のサンガから受戒し、上座部仏教の比丘尼として出家した。これが契機となって、以後、スリランカでは、比丘尼ないし沙弥尼(比丘尼となる前段階の見習いの尼僧)として出家する女性の数が着実に増加し、2004年半ばには、比丘尼約400名、沙弥尼約800名にまでなった。スリランカ上座部仏教では、比丘尼サンガの復興がほぼ定着しつつあるといえる。
スリランカにおける比丘尼サンガの復興は、タイ人の女性仏教徒にも影響を及ぼした。2001年2月、元タマサート大学文学部准教授チャスマン・カビラシンは、スリランカで上座部仏教の沙弥尼として出家し、タンマナンターと名乗った。タイに帰国したタンマナンターが、タイの比丘と同様に剃髪し、黄衣を着用した姿でテレビに出演すると、女性の出家の可否・比丘尼サンガの復興の是非をめぐって、タイで盛んに議論が交わされるようになった。タイ人女性の比丘尼出家に対する関心は、タンマナンターが比丘尼になった2003年ごろをピークに高まり、報告者が知り得た限りでは、2007年3月までに34名のタイ人女性が上座部の沙弥尼として出家し、2007年7月末までにそのうちの7名が比丘尼として出家した。しかし、2007年5月までに、11名の沙弥尼と比丘尼が黄衣の着用を断念し、白衣で在家戒を守る在来の女性修行者メーチーないしウバーシカーに戻っている。こうした状況は、タイの女性たちが沙弥尼ないし比丘尼になることに対し、決して無関心ではないにもかかわらず、タイ社会において、女性が男性の比丘と同じ黄衣を着用し出家者として生きることが決して容易ではないことを物語っている。つまり、タイでは、沙弥尼ないし比丘尼としての出家の正当性が十分な認知を得ていないのである。
本報告では、従来、不可能であると考えられてきた上座部比丘尼サンガの復興が、どのような根拠を元に試みられているのか、またタイのサンガ、メーチー、出家者を支える在家仏教徒のコミュニティは、沙弥尼・比丘尼に対し、どのような態度を取っているのか、そして彼女たちの出家の正当性がなぜ不安定であるのかについて、検討していきたい。
- 備 考:
事前の参加予約は必要ありません。
当日は、資料代として 200円をいただきます。
- 研究会世話:
杉島 敬志(京大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
林 行夫(京大地域研究統合情報センター)
速水 洋子(京大東南アジア研究所)
伊藤 正子(京大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
- 問い合わせ:itomasak@asafas.kyoto-u.ac.jp
- 「ハイパー・モビリティ社会」研究プロジェクト第1回セミナ-
- 「ハイパー・モビリティ社会」研究プロジェクト第1回セミナーを3月18日(火)に京都大学東南アジア研究所にて開催いたします。本プロジェクトは、G-COEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」の次世代研究イニシアティブ助成を受けて、実施されるものです。年度末のご多忙の折かと存じますが、お気軽にご参加いただければ幸いです。詳細は以下をご覧ください。
- 【「ハイパー・モビリティ社会」研究プロジェクト】
- 古代以来、政治的支配にとって、人の移動は、その根幹を揺るがすものとして問題視される傾向にあった。特に、領域支配を行う近代国民国家では、移動して暮らす人々は、「異物」とみなされる。それ故、彼/彼女らの多くは蔑視されてきた。この枠組みの中では、人の移動を社会の基本原理と考えるパラダイムの形成は困難であった。だが今日、コミュニケーション技術の発達は「空間の圧縮」をもたらし、グローバルな「ハイパー・モビリティ社会」が実現しつつある。
- 今後100年の科学・技術の一層の発展を視野に収めれば、生存基盤の確保と拡大を求める現生人類の移動への志向が、加速度的に進むことは確実である。この展望を踏まえて、本研究プロジェクトでは、生存基盤の持続と人の移動との関連について根本的に再検討している。その結果、先史人類のグローバルな拡散に見られるように、移動を人類の本質と捉えるホモ・モビリタス(移動するヒト)の考え方に到達した。本プロジェクトでは、この仮説を前提とした社会モデルの構築と研究パラダイムの提示を目指している。
- そこで、第1回セミナーでは、フィリピンとオセアニアにおける人の移動と社会関係についての事例研究を中心に、ハイパー・モビリティ社会について検討する。
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- 日 時:平成20年3月18日(火)午後1:30~5:45
- 場 所:
京都大学東南アジア研究所東棟2階会議室
http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/about/access_ja.html
- プログラム:
1:30~1:45 趣旨説明 細田尚美(京都大学)
1:45~2:45
「フィリピンにおけるサパララン・モデルの地域間比較:『ハイパー・モビリティ社会』研究・序説」
石橋誠・小張順弘・渡邉暁子・細田尚美
2:45~3:00 休憩
3:00~3:45
「フィリピン・パラワン族の土地問題」
森谷裕美子(九州産業大学)
3:45~4:30
「シューカンから抜け出す方法?――パラオにおける国際人口移動と贈与交換の再編」
飯高伸五(東京都立大学大学院)
4:30~4:45 休憩
4:45~5:00 コメント 田中耕司(京都大学)
5:00~5:15 コメント スヘー・バトトルガ(愛知県立大学)
5:15~5:45 ディスカッション
問い合わせ:
渡邉暁子 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
TEL: 075-753-7381 watanabe@asafas.kyoto-u.ac.jp
細田尚美 京都大学東南アジア研究所
TEL: 075-753-7333 hosoda@cseas.kyoto-u.ac.jp
- 第6回「次世代の地域研究」研究会
- 本研究会は、地域研究に携わる若手研究者を全国から報告者としてお招きして、世代と分野を横断する議論の場を設けると同時に、研究者同士のネットワークを構築することを目的としています。
今回の研究会では、「相対化される国民国家」をテーマに東欧研究と中東研究から気鋭の若手政治研究者に報告していただき、また東南アジア研究者をコメンテーターに,地域紛争のなかで不安定化し、また再構築される国家を、地域研究がいかに考察できるのか、地域横断的な議論をおこないたいと思います。
オープンな研究会ですので、皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。
- 日 時:平成20年3月17日(月)14:30-18:00
- 場 所:
京都大学東南アジア研究所 東棟二階会議室 E207
京都市左京区吉田下阿達町46 (川端通り荒神橋東詰)
- 報告者:久保慶一(早稲田大学・助手)
- 報告タイトル: コソボにおける民族紛争と紛争後の「国家」建設
コソボ暫定自治政府による独立宣言を間近に控え、コソボ情勢が注目されている。コソボにおける民族紛争と紛争後の「国家」建設は、国内要因と国際的要因が複雑に絡み合い、両者の相互関係をみることなくしては十分に理解することができない。本報告では、1990代後半の民族紛争の勃発と、紛争後の「国家」建設に焦点を絞り、国内要因と国際的要因の連関を分析することを試みたい。導入としてコソボ紛争の歴史的背景を簡単に振り返った後、報告の前半では、1997~1998年にコソボ紛争が武力紛争化し、1999年のNATO空爆に至った過程を考察対象とし、比較政治学における民族紛争・内戦研究の成果を土台として、紛争の勃発と拡大をもたらした国内要因と国際要因について分析する。後半では、紛争後の平和構築と「国家」建設をとりあげ、コソボにおいて国連コソボ暫定統治ミッション(UNMIK)統治下で進められてきた「国家」建設の功績と問題点を考察する。最後に、コソボという新たな「国民国家(民族国家)」の独立がバルカン地域の政治的安定と今後の国際政治についてどのような示唆を与えているかを考察して、報告の締めくくりとしたい。
- 報告者:末近浩太(立命館大学・准教授)
- 報告タイトル:中東政治研究における国民国家・ナショナリズム・宗教
中東政治研究は、ラテンアメリカや東南アジアの研究と比較してみれば、社会科学の理論の発展に対して大きく貢献してきたとは言い難い。その主な理由として、同研究における地域研究と社会科学(特に政治学や国際関係学)との乖離が指摘されてきた。両者の融合が進まないのは、突き詰めてみれば、中東を構成する国家群をいかにとらえるか、という方法論上の根本的な問題が未解決のためである(これは、地域とは何か、という問いと表裏一体である)。そして、この問題は、汎ナショナリズムの台頭や宗教復興のうねりといった時代環境の変化のなかで、常に新たな意味づけがなされてきた。本報告では、現代の中東政治研究における国家と地域の実態について、国民国家、ナショナリズム、宗教をキーワードに再考する。なお、事例として東アラブ諸国を取りあげる。
- G-COE 第3イニシアティブ研究会
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- 日 時:平成20年3月13日(木)17:30 - 19:00
- 場 所:東南アジア研究所東棟2階207号室
- 内 容:
(1)研究発表 嶋村鉄也氏(京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科)
テーマ「熱帯泥炭地の生態系機能」
(2)南スマトラにおける調査地の選定 、シナールマス社との協力について
(3)会計報告
- 連絡先: 水野広祐(東南アジア研究所)
- G-COE "In Search of Sustainable Humanosphere in Asia and Africa:The
First International Workshop"
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- 日 時:平成20年3月12日(水)-14日(金)
- 場 所:京大会館 101号室 (http://www.kyodaikaikan.jp/)
- プログラム:
- 参考URL:http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/en/article.php/20080312_14
- ミャンマー研究会
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- 日 時:平成20年3月11日(火)15:00 - 17:00
- 場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階E207
- 講師(1):Dr. Aung Kyaw, Assistant Lecturer, Department of Commerce, Yangon Institute
of Economic, Myanmar
- 報告テーマ:"Financing SMEs in Myanmar"
- 報告要旨:
SMEs represent the greatest share of Myanmar economy in terms of number,
contribution to employment, output and investment. Therefore, the development
of Myanmar economy is totally dependent on the development of SMEs in the
private sector. The role of SMEs is more important in today’s era in order
to sharpen national competitive advantages and to take advantage on the
speedy economic integration in the ASEAN region. However, surveys explored
that SMEs are facing a number of constraints and problems that come from
environment as well as their own internal inefficiencies. Among these constraints,
shortage of power and inaccessible of financing from formal sector poses
as severest constraints on their development. The problem of financing
SMEs has long been existed and deeply rooted in both demand and supply
side and it is also related to macro economic fundamentals and lending
infrastructure of the country. Government’s policy towards SEEs could also
lead insufficient support to SMEs sector in the country. Therefore, focusing
on SMEs and private sector development as a viable strategy for industrialization
and economic development of the country is a perquisite for the SMEs development.
The policy recommendations for stabilizing macro economic fundamentals,
improving demand and supply side conditions from SMEs financing aspect
are made in order to provide better accessible financing and contribute
towards overall development of SMEs sector in Myanmar.
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- 講師(2):Ms. Thandar Khine, Staff officer, Ministry of National Planning and Economic
Development, Myanmar
- 報告テーマ:"An Analysis of FDI Inflow into Myanmar"
- 報告要旨:
Myanmar highly appreciates as FDI is a key solution in order to reduce
development gap with leading ASEAN countries and accordingly it is welcomed
by the government. Myanmar Foreign Investment Law was enacted in 1988 soon
after adoption of market oriented economic system to boost FDI into the
country. Foreign investors positively responded to these measures in the
early years and FDI inflow into Myanmar was gradually increased during
the period from 1989 to 1996. However, after 1997, FDI inflow was dramatically
reduced and stagnant at very low level up to 2004. In 2005, FDI inflow
was dramatically increased unprecedented rate and reached maximum throughout
the history. However, this growth was not sustainable in the subsequent
years and declined again and stagnant at the previous level. In terms of
source regions, ASEAN is major investor in Myanmar which investment is
significantly more than combined investment of other world regions. Among
top ten countries, Thailand investment alone is significantly more than
combined total of other nine countries. Among ASEAN countries, seven countries
have made investment in Myanmar of these Thailand, Singapore and Malaysia
stand at the first, second and third place respectively. In terms of sector,
the combined total of FDI inflows into Power and Oil & Gas sector represent
64% of total investment. Myanmar is relatively disadvantages in communication
infrastructure, delay in administrative procedures, level of economic freedom,
FDI related policies particularly existence of multiple exchange rates,
imposition of tax on export earning and foreign exchange control, and external
impact due to the sanctions of US and EU countries. Combined impacts of
these factors impede the FDI inflow into the country even though Myanmar
is rich in natural resources, human resources, cultural and national heritages
that are very attractive to foreign investors. There are many opportunities
for foreign investment in other sectors which are not yet exploited like
agriculture, hotel and tourism, wood based industry, garment, electronic
and IT etc. ASEAN countries will certainly be source countries of Myanmar
FDI in future and Myanmar should expand other Asian countries like Japan,
India, China, Korea and Hong Kong in its FDI portfolio. In order to effectively
attract FDI into the country, Myanmar needs to minimize the effect of policy
while opening and encouraging other potential sectors of FDI to foreign
investors in ASEAN and Asian countries.
- 問い合わせ:藤田幸一(CSEAS)
- 基盤研究S「越境する感染症」の研究会
- 基盤研究S「越境する感染症」の研究会を開催します。講演者は、昨年12月から基盤研究Sの研究員として、東南アジア研究所に所属している小板橋努博士です。
発表内容は、現在、各種マスメディアでも注目され、盛んに報道されている中国における食品事情についてです。また当日、小板橋さんと一緒に青島誠誉食品安全研究所で検査に携わっている生物分析科科長の崔山氏にも同席いただきます。研究会はオープンですので、皆さまのご参加をお待ちしております。
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- 日 時:平成20年3月11日(火)13:00 - 15:00
- 場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階E207
- 講演者:小板橋努(東南アジア研究所研究員)
- 発表内容:
『中国、食の安全は』 2006年より、中国製品の安全性への疑問符が目立つようになってきた。アメリカにおけるメラミンが混入した原料を用いたペットフードによるペットの死亡や、パナマやハイチにお
けるジエチレングリコールが混入した原料を用いた咳止めシロップ服用者の死亡などは記憶に新しい。そして、現在捜査中ながらも、2008年の冷凍餃子への有機系殺虫剤メタミドホス
の混入事件により、日本での中国産食品への不安は頂点に達したきらいがある。
しかし、中国産食品はそんなに悪いものなのだろうか。食料自給率がカロリーベースで40%を切っている日本の食卓は、中国からの食品を抜きにしては考えられない状態にある。とく
に生鮮野菜に限れば、輸入品のうち中国産は60%を占めている。中国産食品を糾弾することは、同時に日本の食料自給率、ひいては日本人の消費行動も同じ土俵に乗せて考える必要もあ
る。
中国では、2007年から食品安全に関する法律を矢継ぎ早に発布、施行している。1990年に中国から日本への輸出が始まった頃は、石や金属などの異物混入を防ぐことが『食品安
全』だったが、90年代後半には残留農薬の検査が始まった。さらに現在では、600種類以上の残留農薬や動物用医薬品の分析をするに至っている。未だ基準値があいまいな点も指摘できるが、法制度の面を考えれば、正当なルートによって日本に入ってくる食品の安全水準は、信頼に値すると言えるだろう。
演者は、中国山東省の青島において、主に日本への輸出食品の安全性の分析をする会社(青島中検誠誉食品検測有限公司 http://www.asia-aa.co.jp/〈日本語〉)にかかわり、ここで微生物だけでなく、残留農薬分析や動物用医薬品分析にも携わっている。特に残留農薬に限れば、分析の検出限界値がppb(μg
/ kg)レベルになっている状態で、日本の残留基準値を超る量の残留農薬が検出される例は、非常に少ない。輸出前の自主検査で残留基準地を越える商品は日本に輸出されないであろう事を考慮すると、おのずと中国産輸出食品の安全性を理解できる。
- 連絡先:中口 義次(東南アジア研究所)
- Joint Workshop on "Populism in Asian Clothes"
- JPPS-NRCT拠点大学交流事業プログラムとG-COEプロジェクトによる共催でアジアのポピュリズムに関する国際ワークショップを開催いたします。
プログラムについては以下をご覧ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
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- 日 時:平成20年3月7日(金)-8日(土)
- 場 所:京大会館SR室(7日),210室(8日)
- プログラム:
Session I
Next Populism or Post Populism?: Thai Politics and Japanese Experience
March 7th, 2008 (Fri) (Room SR)
12:30 Registration
13:00 Opening Remarks: Kosuke Mizuno (Kyoto University)
13:15-15:15
Chair: Patricio Abinales
Speakers:
Pasuk Phongpaichit (Chulalongkorn University)
Nualnoi Treerat (Chulalongkorn University)
Tamada Yoshifumi (Kyoto University)
Otake Hideo (Doshisya Women’s College of Liberal Arts)
15:15-15:30 Break
15:30-16:00
Comments by Discussants
Chris Baker
Honna Jun (Ritsumeikan University)
16:00-17:00 Answers by Speakers & Discussion
18:00-20:00 Reception at Kyodai Kaikan (Room102)
Session II
Populism in Comparative Perspective
March 8th, 2008 (Sat) (Room 210)
9:00-11:00
Chair: Pasuk Phongpaichit (Chulalongkorn University)
Speakers:
Okamoto Masaaki (Kyoto University)
Joel Rocamora (Director, Institute for Popular Democracy (IPD))
Matsushita Hiroshi (Kyoto Women’s University)
Khoo Boo Teik (Universiti Sains Malaysia)
11:00-11:15 Break
11:15-11:45
Comments by Discussants
Patricio Abinales (Kyoto University)
Mizuno Kosuke (Kyoto University)
11:45-12:45 Answers by Speakers & Discussion
12:45-13:15
General Comment:
Benedict Anderson (Professor Emeritus of Cornell University)
13:15 Closing Remarks: Pasuk Phongpaichit (Chulalongkorn University)
- 第3回「英文出版に向けたセミナー」
- GCOE若手養成・研究部会主催の「英文出版に向けたセミナー」第3回のお知らせを致します。今回は、シンガポール国立大学大学出版会よりDr.Paul Kratoska氏、タイからはDr.Chris
Baker氏を向かえ、編集者・出版者の視点からお話をして頂きます。オープンなセミナーですので、関心のある方は是非ご参加ください。
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- 日 時:平成20年3月6日 15:00 - 18:00
- 場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階会議室
- プログラム:
15:00-16:00
Reviewing Manuscripts: Developing Potentials, Spotting Problems
Dr. Chris Baker
Independent writer, researcher and translator
Co-wrote with Pasuk Phongphaichit: "A History of Thailand," "Thailand: Economy
and Politics," and "Thaksin: The Business of Politics in Thailand"
16:00-17:00
English-Language Academic Publishing: What University Presses are Looking
For Dr. Paul Kratoska Managing Director, NUS Press (National University
of Singapore)Former Editor, Journal of Southeast Asian Studies; Regional
Editor, International Journal of Asian Studies Author of The Japanese Occupation
of Malaya: A Social and Economic History (Japanese translation, 2005);
editor of Asian Labor in the Wartime Japanese Empire
17:00-18:00
Discussion, Question and Answers
- モデレーター:カロライン・ハウ (CSEAS)
- 問い合わせ先:
パオリシオ・アビナレス(CSEAS) abinales@cseas.kyoto-u.ac.jp
遠藤環 (GCOE / CSEAS) endo@cseas.kyoto-u.ac.jp
- Special Seminar on Indonesian Economy
- Center for Southeast Asian Studies (CSEAS), Kyoto University and Study
Group on Development Economics cordially invite you to the seminar on "Institutional
Changes and Recent Development in Indonesia"
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- 日 時:平成20年3月3日(月)16:30 - 19:30
- 場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階セミナー室(E207)
- 話題提供者1:Dr. Thee Kian Wie (Senior Economist, Economic Research Center, Indonesian
Institute of Science)
- 話 題:"Indonesia's Economic Development During and After the Soeharto Era-Achievements
and Failings"
- 話題提供者2:Prof. Kosuke Mizuno (Center for Southeast Asian Studies)
- 話 題: "Labor Law Reform and Changes of Industrial Relations in Indonesia,
with special reference to labor dispute settlements"
- 問い合わせ:水野広祐(CSEAS)(075-753-7351)
- Joint Workshop on Labour-intensive Industrialisation in Southeast Asia
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- 日 時:平成20年3月1日(土)-2日(日)
- 場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階会議室
- 共 催:
京都大学G-COEプログラム:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点:イニシアティブ1及びJSPS-NRCT拠点大学交流事業プログラム:プロジェクト9
- プログラム:
Day 1
10.30 am – 12 am: Overview and Comments
Kaoru Sugihara (CSEAS, Kyoto University)
Labour-intensive Industrialisation in Southeast Asia: A Preliminary Comparative
Perspective
Pasuk Phongpaichit (Chulalongkorn University.)
Some Thoughts on Labour-intensive Industrialisation in Southeast Asia
1 pm – 3.30 pm: Round Table: Back to the State?
Takashi Shiraishi (GRIPS)
On State Formation
Chris Baker
On the Post-developmental State
Thee Kian Wie (LIPI, Indonesia)
On Policy-makers, Senior Officials and Businessmen
4:00 pm – 6.00 pm: Indonesia
Thee Kian Wie
Indonesia's Industrialisation during and after the Soeharto Era: Aspects
of Labour-intensive Industrialisation
Kosuke Mizuno (CSEAS, Kyoto University)
A Path to Prosperous Rural Industry in Indonesia: Case of Roof-tile Industry
Discussant: Fumiharu Mieno (Kobe University)
7 pm-: Dinner and Informal Discussion at a room at Fujitei (nearby restaurant)
Day 2
10 am – 12 am: Southeast Asia
Porphant Ouyyanont (Suhhothai Thammathirat Open University, Thailand)
Cheap Labor and the Industrialization of Bangkok after 1945: Some Revision
Tatsufumi Yamagata (IDE-JETRO)
Two Dynamic LDCs: Cambodia and Bangladesh as Garment Exporters
Discussant: Koichi Fujita (CSEAS, Kyoto University)
1:pm. – 2.30 pm: Japan
Masayuki Tanimoto (University of Tokyo)
From Peasant Economy to Urban Agglomeration: The Transformation of ‘Labour-intensive
Industrialization’ in Modern Japan
Haruo Wakimura
The Decline of Japanese Cotton-weaving Districts in Postwar Japan
Discussant: Akihiko Ohno (Aoyama Gakuin Universiity)
3 pm – 4.30 pm: India and Comparative
Takashi Oishi (Kobe City University of Foreign Studies)
Aspects of Labour Intensive Economy around Bicycles in Modern India with
Special Focus on the Import from Japan
General discussion
Other Participants:
Nobuko Nagasaki (Ryukoku University)
Takeshi Onimaru (GRIPS)
Takahiro Sato (G-COE, CSEAS, Kyoto University)
Naomi Hosoda (CSEAS, Kyoto University)
Shinya Ishizaka (ASAFAS, Kyoto University)
Shunsuke Nagaoka (ASFAS, Kyoto University)
Nao Sato (ASAFAS, Kyoto University)
Kyoko Oga (Osaka Univeristy)
Shiro Sato (Ryukoku Univeristy)
- 「比較の中の東南アジア」研究会
- 「東南アジア学会関西例会」及び「比較の中の東南アジア研究会」の共催で研究会を開催いたします。「東南アジア国軍人事の政治学」を共通がトピックとなっております。みなさまのご参加をお待ちしております。
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- 日 時:平成20年3月1日(土)14:00 - 18:00
- 場 所:京都大学東南アジア研究所共同棟3階セミナー室
- 司 会:岡本正明(京都大学)
- プログラム:
14:00 - 14:30 山根健至(立命館大学) 「フィリピン国軍将校の昇進過程と政治家―任命委員会を中心に―」
14:30 - 15:00 玉田芳史(京都大学)「タイの軍人事と2006年クーデタ」
15:00 - 15:15 coffee break
15:15 - 15:45 中西嘉宏(京都大学) 「ミャンマー長期軍政下の国軍人事と政治対立のパターン」
15:45 - 16:15 本名純(立命館大学) 「国軍改革と人事の政治:ユドヨノ政権期を中心に」
16:30 - 17:00 コメント:白石隆(政策研究大学院大学)、片山裕(神戸大学)
17:00 - 17:15 コメントへの返答(各自5分程度)
17:15 - 18:00 自由討論
- 問い合わせ:玉田芳史(ASAFAS)tamada@asafas.kyoto-u.ac.jp、岡本正明(CSEAS)okamoto@cseas.kyoto-u.ac.jp
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