京都大学東南アジア研究所ナビゲーションをスキップしてコンテンツへ 日本語 | English
サイトマップ | ローカルページ
Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

アーカイブ

過去のセミナー案内:20年度

2008年5月

2006年ジャワ中部地震ゲシアン村プロジェクトの報告会
私たちは、防災教育や自然災害復興支援のための地域研究を目指して、2006年5月のジャワ島中部地震の被災地であるジョグジャカルタ特別州のゲシアン村に入り、地域住民との協働で防災情報拠点を建設し、さらに防災情報図書室を開設するなどの活動を行ってきました。
科研費プロジェクトとして1年目を終え、これまでの活動を整理するために中間報告を行いたいと思います。
「ゲシアン村プロジェクト」が何を目指してどこまで進んできているのか、そして今後の見通しと課題は何かといったゲシアン村プロジェクト自体の方向性に関する議論を踏まえて、地域研究者が調査対象地の災害対応にコミットすることにどのような考え方があるのかを、参加者のそれぞれの立場や経験をもとに議論できればと思います。
直前のご案内になりますが、みなさんふるってご参加ください。
  1. 日 時:2008年 5月22日(木) 13:00-15:00
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所 共同棟4階会議室
  3. 報 告:
    研究者が災害救援活動の現場にいる戸惑いから考えること
    --2006年ジャワ中部地震ゲシアン村プロジェクト中間報告
    (東南アジア研究所・浜元聡子)
  4. 主 催:科研費プロジェクト「防災教育・自然災害復興支援のための地域研究を目指して:コミットメントの経験から」(萌芽、研究代表者:清水展)
G-COE第8回パラダイム研究会
下記のように、G-COE第8回パラダイム研究会を開催いたします。今回は報告者の都合により、開始時間を1時間遅らせましたので、ご注意ください。
みなさまの積極的なご参加をお待ちしております。
  1. 日 時:2008年 5月19日(月) 17:00-19:00
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階会議室
  3. テーマ: 生存の意味:現代社会におけるその変容をどう理解するか
  4. 研究会の趣旨:
    現代の医療技術の発展が一つの契機となって、労働力・生産力の増大=社会の発展という従来の図式の見直しが求められつつある。生存が確保されればよいのではなく、その意味が問われていると言ってもよい。とりわけ発展途上国を含む、世界各地で進展しつつある少子高齢化のなかで、社会の発展と個人の生の豊かさの追求とをどのように具体的に結びつけていくかが大きな課題となってきている。本パラダイム研究会では、脳科学からの発題を基礎に、現代社会における個人と社会の生の豊かさをめぐる新たなパラダイムの形成を議論したい。
  5. 報告者:松林公蔵 (京都大学東南アジア研究所) 「脳科学から見た高齢化社会 -生存の意味をめぐるパラダイム転換」
  6. 報告要旨:
    人間の生存レベルには、「生命維持」、「生活」、「社会・文化」、「幸福感」など、いくつかの階層性が考えられるが、その主要な担い手は脳である。3層の脳構造のうち、最も基本的な生命維持を担うのは延髄・橋・中脳などの脳幹部といわれるところで、呼吸、循環、代謝、睡眠などを司る。この脳幹部の機能は、宇宙のリズムと深く同期し調和的である。脳幹部の上層には、大脳辺縁系という構造があり、主として、食欲、性欲、非言語的記憶、情動と関連し、人類の欲望のプロモーターであり、無意識の「こころ」の領域を担っている。人間で高度に発達した最外層の大脳皮質は、大脳辺縁系の要請に応じて、行動を企画し、結果を予想し、遂行する。人類のみにみられる高度な文化と文明構築の最大の寄与者は、もちろん大脳皮質ではあるが、その要請は大脳辺縁系から発せられる。19世紀以前、人類の大脳辺縁系が要請し大脳皮質が実行してきた自然界に対する働きかけは、地球環境の余裕もあって成功したが、前世紀後半ころからさまざまな破綻がみえ始めてきた。人類進化が予想もしていなかった著しい高齢化と人口の増加、それに伴う地球環境の限界である。社会の超高齢化はまた、大脳皮質ならびに辺縁系の社会との調和不全であるアルツハイマー病を生み出した。その頻度は、本邦の85歳以上の高齢者の約3割をしめるようになっている。脳科学の文脈でいえば、「人の幸福」とは、文明の発展や不老不死の追求ではなく、脳と脳が作り出した社会の調和にあるともいえる。どんなに先端医療技術が進歩しても、ヒトが120歳を超えて生存できる可能性は少ないだろう。本講演では、「生存の意味」を実感できる社会について、主として脳科学の立場から考えてみたい。
  7. 討論者:
    落合恵美子(京都大学文学部) 「アジアの少子高齢化と家族」(仮) 
    杉原 薫(京都大学東南アジア研究所) 「生存の経済的基盤と人間的基盤」
  8. 連絡先: 杉原 薫(京都大学東南アジア研究所) 
第20回 映像なんでも観る会-フィールドとの「関わり」と映像-
今年度第1回の「映像なんでも観る会」では、『灰の中の未来~二十世紀最後のアエタ族~』を観ます。長年フィリピンでフィールドワークを行ってこられ、『灰の中の未来~二十世紀最後のアエタ族~』の制作支援者でもある、京都大学東南アジア研究所の清水展さんをお迎えし、フィールドとの「関わり」と映像についてオープンに話しあいたいと考えています。清水さんからは、映像制作の背景や裏話などもお話いただけるということですので、特に新入生の方、これからフィールドに出られる方や、撮影を開始したいみなさんにご参加いきたい企画です。会の後に懇親会を予定しておりますので、あわせてご参加下さい。
なお、清水さんは、同日行われるG-COE「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」プログラムの研究会にて、「生存基盤が壊れるということ:ピナトゥボ山大噴火(1991)による先住民アエタの被災と新生の事例から」というタイトルで、ご報告されるとのことです。場所は東南アジア研究所東棟2階、13:30~15:20の予定ですので、こちらも是非ご参加下さい。
  1. 日 時:2008年 5月19日(月) 18:00~19:30→ 時間変更 15:30~17:00
  2. 場 所:東南アジア研究所等共同棟共同棟4階 409号室 →場所変更 東南アジア研究所東棟2階会議室(E207)
  3. 作品名: 『灰の中の未来~二十世紀最後のアエタ族~』
  4. 言語:フィリピノ語、英語/日本語字幕、制作年:1999年
    時間:45分、制作代表者:富田一也、 監督:光武計幸

    『灰の中の未来』は、青年海外協力隊員としてピナトゥボ火山の被災者、アエタ族の中で生活した富田一也さんと、同じく協力隊の映像隊員としてフィリピン国家開発庁に派遣されていた光武計幸さんによって企画された映像です。被災先から、もともと暮らしていた被災地へと向かう二つ旅を軸に、アエタ族の過去・現在・未来が描こうとされている作品です。
    参考:
    1.清水展 『噴火のこだま : ピナトゥボ・アエタの被災と新生をめぐる文化・開発・NGO』福岡 : 九州大学出版会 , 2003.
    2.清水展「ピナトゥボ噴火と先住民アエタのその後-援助から民族・文化意識の覚醒へ-」『人口と開発』No.65,1998
    http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/~shimizuh/shimizu_hp/essay/essay07.html
G-COEイニシアティブ4研究会
G-COEイニシアティブ4の研究会を次の要領で開催します。多数のみなさまのご参加をおまちしております。
  1. 日 時:2008年 5月19日(月) 14:00~15:50 → 時間変更 13:30~15:20
  2. 場 所:
    京都大学東南アジア研究所東棟2階会議室(E207)
  3. 発表者: 清水展 (京都大学東南アジア研究所)
  4. 発表タイトル: 「生存基盤が壊れるということ:ピナトゥボ山大噴火(1991)による先住民アエタの被災と新生の事例から」
  5. 要 旨:
    1991年6月の西部ルソン・ピナトゥボ山の大噴火は、同時期に起こった雲仙普賢岳の600倍、20世紀最大規模の爆発であった。その直接で最大の災害を受けたのは、ピナトゥボ山麓で移動焼畑農耕を主たる生業として、自給自足に近い生活をしていた約2万人の先住民アエタであった。彼らの家屋や畑は数十センチから1メートルの灰に埋まり、全員が集落を捨て一時避難センター、さらに再定住地への移住を余儀なくされた。その後も数年にわたり、大雨のたびに繰り返し襲ったラハール(土石流氾濫)によって、集落のほとんどは数十メートルの土砂に埋まった。
     今回の発表では、アエタの被災と復興の十年におよぶ歩みを紹介し、生存基盤が壊れるということがどういうことなのか、逆に彼らにとって生存基盤とは何なのかを考える。また、フィールドワークを主たる研究手法とする人類学者や地域研究者が、災害と関わることによって、「学」そのものにどのような可能性が拓かれるかも考えたい。
第36回「東南アジアの社会と文化研究会」
「東南アジアの社会と文化研究会」を、以下のとおり開催いたします。オープンな研究会ですので、ふるってご参集くださいますようお願いいたします。
  1. 日 時:2008年 5月16日(金) 16:00-18:00
  2. 場 所:
    京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 
    総合研究2号館(旧・工学部 4号館)4階 会議室(AA447)
    http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html
  3. 話題提供者: 片岡樹氏(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科)
  4. 演 題: 「『タイ仏教徒』の隣人たち―山地民および中国系住民からみた大陸部東南アジアの宗教論― 」  
  5. 要 旨:
    報告者はこれまで、タイ北部山地民のフィールドで調査を行ってきており、また近年はタイ南部マレー半島で中国系住民の宗教実践の研究にも着手している。いわば「タイ仏教徒」の世界を、北と南の周縁からはさむかたちで研究を展開してきたことになる。本報告では、そうしたなかで考えてきた問題意識を、一種の中間報告のようなかたちで参加者諸賢と共有したいと考えている。それは大きく言えば、この地域での宗教や民族間関係をめぐる「常識」を、山地民や中国系住民という「脇役」たちの目からとらえ直してみることである。考えてみたいトピックとは、タイ系民族と隣接民族との民族境界と宗教との関わり、および、山地民や中国系住民の宗教実践における功徳概念の諸相などである。
  6. 研究会ホームページ:
    http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kenkyuukatsudou/syakai-bunka/index.html
  7. 研究会世話人/事務局:
    杉島敬志 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
    林  行夫 (京都大学地域研究統合情報センター)
    速水洋子 (京都大学東南アジア研究所)
    伊藤正子 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
  8. お問い合わせ先:
    itomasak@asafas.kyoto-u.ac.jp
    王 柳蘭  (京都大学大学院・アジアアフリカ地域研究研究科)
  9. 備 考:
    事前の参加予約は必要ありません。
    当日は、資料代として 200円をいただきます。
G-COEイニシアティブ1 第4回研究会
下記の通り、イニシアティブ1の第4回研究会を開催いたしますので、ふるってご参加いただけますよう、お願いいたします。
  1. 日 時:2008年 5月12日(月) 16:00~18:00
  2. 場 所:東南アジア研究所東棟2階E207
  3. 報告1:
    小泉順子(CSEAS)
     「近代タイ=中国「外交」関係―地域的・歴史的再検討」
    討論者: 未定
  4. 報告2:
    生方史数(CSEAS)
     「コモンズにみるローカルな制度形成プロセスの現代性」
    討論者: 竹田晋也(ASAFAS)
  5. 司 会:藤田幸一(CSEAS)
G-COEイニシアティブ4研究会
以下の要領で、イニシアティブ4の研究会を行います。どうぞよろしくご参集のほどお願いいたします。
  1. 日 時:2008年5月9日(金) 14:30-16:20
  2. 場 所:総合研究2号館(旧工学部4号館)4階東側・大会議室
  3. 話題提供者: 田辺明生(人文研)
    題 目:「イノチの人類学へ向けて」(仮題)
  4. 要 旨:
    人の生(イノチ)を身体と環境の相互作用の全体としてとらえること、その相互作用のありかたに介在する現代的な技術と制度に注目すること、そこにおいて人がより豊かな生を探求するための新たな可能性と問題がいかに現れているかを考察すること、こうした問題にアプローチするために人類学の理論的枠組みを再検討すること。こうした目的のために、「生(イノチ)の人類学」を構想したいと考えています。現代世界において人々がより豊かな生を想像し追求することを可能にするために、イノチを、個人が所有するものとしてではなく、日常的な再帰的実践を通じて、人が環境との相互作用の中で自己と世界を構築していく営みとしてとらえ、こうした生命観にもとづいた新たな人間像・社会像を将来的には提出できないものかと、個人的には妄想しています。現代の技術制度の発展の中で、身体と環境の可塑性・統御可能性とその限界をめぐる実践倫理的問題は、イノチとは何かという問いをますます重要なものにしているように思います。「イノチの人類学」の可能性を話題にしながら、こうした同時代的にアクチュアルな問題を皆様と一緒に議論し考えていくための場となればと願っています。
G-COEイニシアティブ2班「人と自然の共生研究」研究会
G-COEイニシアティブ2班主催の研究会を開催します。モンスーンの変動性について議論したいと思います。多数のみなさまのご参加をおまちしております。
  1. 日 時:2008年5月9日(金) 10:30-12:00
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階会議室(E207)
  3. 発表者:高橋洋(海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター)
    発表タイトル:「東南アジアモンスーン域の降水季節進行:平均場を形成するマルチタイムスケール現象(仮題)」
  4. 発表の概要: 
  5. 東南アジアモンスーン域は、明瞭な季節変化をもち、雨季と乾季に分けられる。雨季には、湿った南西風が卓越し、多量の雨がもたらされる。雨季の中でも、毎日、だらだらと雨が降っているというわけではなく、ある一定のリズムを持って雨が降っている。季節という時間スケールよりも短い幾つかの卓越した周期の変動があり、それらが平均的な季節進行及び降水分布に重要な役割を果たしている可能性がある。
     本発表では、平均的な季節進行及び降水分布について、それらを構成する現象に着目し、平均場がどのように形成されているのかを議論したい。
  6. 参考文献:
  7. 安成 哲三(1990): 「熱帯とモンスーン(第二章)」 『東南アジアの自然(講座東南アジア学第二巻)』高谷 好一編. 弘文堂, 51-74.
  8. 問合せ先:柳澤雅之 masa@cias.kyoto-u.ac.jp