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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

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過去のセミナー案内:20年度

2008年10月

第22回映像なんでも観る会
長い夏休みの後、久しぶりの観る会は、ユダヤ研究に関わっておられる若手研究者お二人を迎えて、それぞれのユダヤ研究の視点から『スペシャリストー自覚なき殺戮者ー』に挑戦します。同作品については、既に様々な論者が論じていますが、ドイツ・ナチス研究からの視点とはまた異なる作品像・解釈を伺えると思われます。同作品は、ナチス親衛隊中佐で、ユダヤ人の強制移送指揮したアドルフ・アインヒマンの裁判記録を元に編集された作品です。ジェノサイドとは何だったのか?一緒に考えてみませんか。
  1. 日 時:2008年10月31日(金)15:00 - 19:30ごろ
  2. 場 所:
    京都大学総合研究2号館(旧工学部4号館) 4階アジア・アフリカ地域研究研究科大会議室
    http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html
  3. 詳 細:
    ・脚本・監督・製作: エイアル・シヴァ
    ・言語:ドイツ語、字幕: 日本語 、・時間: 3時間28分
    ・参考:http://www.aguni.com/hon/back/yukawa/07.html
  4. コメンテーター:
    池田有日子(関西大学非常勤講師・京都大学地域研究統合情報センター研究員)
    研究テーマ:アメリカ・シオニスト運動
    パレスチナにユダヤ人国家を建設することを目指したシオニスト運動は、1948年イスラエルの建国を実現したが、その過程・帰結としてパレスチナのアラブ人は追放・虐殺、二級市民化された。パレスチナにおける実質的な基盤(領土、人口)の脆弱であったシオニスト運動が、イスラエル建国を実現するにあたっては、「アメリカ(アメリカ・ユダヤ人、アメリカ政府)」の支持を獲得しうるかどうかということ、またその関与の仕方が極めて重要な意味をもっていた(国際政治レベル、シオニズムのイデオロギーレベル、パレスチナ問題の政治構造レベル)が、アメリカ・ユダヤ人、アメリカ政府がシオニスト運動を支持することは「自明」のことでは全くなかった。では、なぜアメリカ・ユダヤ人、アメリカ政府が最終的にユダヤ人国家建設を支持するようになったのかということを歴史的に考察することで、「アメリカ」と「パレスチナ問題形成」の具体的な関連の仕方やイスラエル建国を可能にした状況や条件を明らかにすることができると考えている。さらに、アメリカ・シオニスト運動を対象とすることで、国家(居住国家=アメリカ、ユダヤ人国家)に対するユダヤ人の錯綜するアイデンティティや位置づけ、またその変容なども明らかにしたい。最終的には、このような検討を通じて、「(国民)国家」という問題についても考察していきたい。
    小田雄一(京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程大澤真幸研究室2007年エルサレム・ヘブライ大学 Rothberg International School留学)
    研究テーマ:ユダヤ教の食事規定にかんする宗教社会学的研究
    ユダヤ教には、カシュルートと呼ばれるきわめて厳格な食事についての規定がある。そのような規定にのっとった具体的な食事のことをカシェールという。現在においても、ユダヤ教徒たちは、そのカシュルートを忠実に守りつづけており、エルサレムを歩けば、飲食店などの看板にカシェール「 kosherכשר 」という文字を、頻繁に目にすることができる。この食事規定のなかに伏在するユダヤ教のかくされた思考の基層に光をあて、それがユダヤ共同体と他の共同体にいかなる作用をおよぼしてきたのか、比較社会学的な見地から、さぐることを試みている
  5. コーディネーター:北村 由美 (CSEAS)
第7回「次世代の地域研究」研究会
第7回「次世代の地域研究」研究会を下記のとおり開催いたします。研究会は、東南アジア学会関西地区例会の共催で行われます。地区例会は10月は24日に続く2度目の開催となりますが、ご関心のある方は是非にご参加ください。皆さまのご来場をお待ちしています。なお、研究会終了後、懇親会を予定しておりますので、こちらにも奮ってご参加ください。
  1. 日 時:2008年10月26日(日)13:30 -17:30
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階大会議室(E207)
  3. 話題提供者:
    鬼丸 武士(政策研究大学院大学)
      「英領マラヤにおけるイギリス植民地統治―― 治安維持に焦点を当てて」
    鈴木 絢女(政策研究大学院大学)
      「マレーシア政治の「制度」的転回――ブミプトラの特別の地位をめぐる政治過程の研究」
  4. コメンテーター: 左右田 直規(東京外国語大学)
  5. なお、当日は休日のため、建物の入口が施錠されています。1時半を過ぎてご来場の方は、下記までご連絡ください。090-8449-7563(河野元子)、090-9160-7313(村上 咲)
  6. 報告要旨① 鬼丸武士
    1819年のシンガポール創設以来、この地を統治したイギリス植民地当局には、一つのジレンマが存在した。それは、華人をめぐる問題である。シンガポールを含む海峡植民地や半島部の経済開発・発展の観点からみると、労働者として華人が中国大陸から絶えず流入することが必要であった。しかしその一方で、治安維持の観点からすると、この華人こそが英領マラヤの治安を乱す元凶であった。本報告は、イギリス植民地当局が、華人を対象にした治安維持をいかにして行ったのかを、おもにシンガポールに焦点を当てて、明らかにするものである。
    一言に華人に対する治安維持活動といっても、19世紀までのそれと20世紀に入ってからのそれでは内容が大きく異なる。19世紀において、主な対象となったのは華人の秘密結社による抗争や暴動であった。シンガポール内にプランテーションが存在し、その運営やそこからの徴税に秘密結社の助けが不可欠であった1860年代末ごろまでは、結社の存在は必要悪として容認せざるを得なかった。また、植民地当局の側に華語を解する官吏がいなかったことも、秘密結社による華人労働者の管理に当局が介入できなかった理由であった。しかし、交通網の整備が進み、生産性の低下によりプランテーションが半島部へと移り始める1870年ごろから状況が変化する。植民地当局は華語のわかる官吏の養成を行い、彼らを使って華人の管理を行おうとし始める。1877年に創設された華民護衛署は、それまで秘密結社によって行われた華人労働者の管理を植民地当局の手で行おうとするものであった。華民護衛官と警察の協力、治安維持にとって好ましくない人物を追放できる法令の制定(1867年)、10人以上の構成員を持つ結社の登録を義務づける法令の恒久化(1872年)などを経て、最終的に1890年に秘密結社そのものが非合法化されることとなる。
    20世紀に入ってからの治安維持の対象は、華人によるナショナリズム運動と共産主義運動であった。ナショナリズム運動は19世紀の後半から活発化し始め、孫文による革命運動の支援へとつながっていく。一方、共産主義運動は1921年に結成された中国共産党の影響下で、中国共産党南洋小組(いわゆる南洋共産党)が組織され、活動が活発化する。このような華人による政治運動に対する取り締まりは、第1次世界大戦中に警察内に組織された高等課を中心に行われることとなる。具体的には高等課が収集した情報をもとに、活動家を特定し、検挙、そして追放(主に中国本土に)するという方法で、対処が行われた。特に1930年にコミンテルンの指導のもと結成されたマラヤ共産党に対する取り締まりは、30年代前半に二重スパイを獲得したことなどもあり、一定の成功をおさめた。しかしながら、ナショナリズム運動、共産主義運動双方を完全に封じ込めることはできなかった。これは、検挙・追放を繰り返しても常に新しい活動家が中国本土から送り込まれたことが大きい。このように、華人による政治運動とその取り締まりは一種のイタチごっこを繰り返したのであるが、少なくとも1920年代、30年代に英領マラヤで革命や大規模な蜂起がおこらなかったことは、イギリス当局による治安維持活動がそれなりの成果を収めていたとことを示しているといえよう。
  7. 報告要旨②  鈴木絢女
    これまで、1971年以降のマレーシア政治を語る際の主なキーワードは、「ブミプトラの優位」や「開発独裁」であった。つまり、ブミプトラや政府などの「支配集団」が非ブミプトラや市民社会などの「被支配集団」に対して優位を持ち、彼らの権利を制限し、一方的に権力を行使するというレンズでもって、マレーシアの政治が観察され、分析され、説明され、理解されてきた。
    しかし、マレーシアの人々が、政治体制そのものを揺るがすほどの対立を経験せずに今日に至っている(今それが変わろうとしているのかもしれないが)という事実に鑑みると、このようなレンズは、必ずしも万能ではないように見える。多くの研究は、上のレンズを基礎としつつ、政府の「応答性」やブミプトラと非ブミプトラの間での利益分配をめぐる取引といった政治手腕や政策に焦点を当てることによって、マレーシア政治の安定性や体制の持続性を論じてきた。だが、それでも、このような政治手腕や政策が繰り返し実現するのはなぜか、という問いが残る。むしろ、「応答的」な手腕が繰り返しとられることを強いるような制度にこそ焦点が当てられるべきではないか。
    以上を踏まえて、本研究は、1971年憲法(修正)法案をめぐる政治過程の研究から、既存のレンズに挑戦する。
    1971年憲法(修正)法案の主眼は、マレー語の国語としての地位およびその他の言語の使用・教授に関する規定(憲法152条)や、マレー人およびその他のブミプトラの特別の地位とその他のコミュニティの正当な利益に関する規定(憲法153条)、市民権(憲法第三部)を争点とすることを禁ずる権限を立法府に与えることであった。同法案は、これまで、自身の権利や言語を守ろうとするブミプトラが、非ブミプトラによる異議申し立てを封じるために成立させたものと論じられてきた。
    これに対して、本研究は、下院議事録、新聞を中心とした資料をもとに、同法の成立過程と実施を検討し、これが(1)自身の言語の使用・教授や、特別の地位、市民権などの死活的な権利を保護しようとするブミプトラと非ブミプトラ双方の意図の交錯の帰結として成立したこと、(2)このような権利に関する憲法規定そのものの議論は封じながらも、権利の実施としての政策について議論する権利を保障する内容であったこと、(3)このようなルールが、今日でも守られており、各民族の死活的な権利が保護される一方で、政策について議論する自由が実現し続けていることを明らかにする。
    以上にもとづき、本研究は、立場を異にする集団間での合意をもとに成立するルールが、非ブミプトラのみならず、政府やブミプトラをも制約していることを強調し、「合意に基づき作られる制度」という視点が、マレーシア政治の説明、理解にとって不可欠であることを主張する。
  8. 問い合わせ先:
    小林 知(京大CSEAS) kobasa@cseas.kyoto-u.ac.jp
    河野元子(京大ASAFAS) kawano@asafas.kyoto-u.ac.jp
    村上 咲(京大ASAFAS) sakimrkm@gmail.com
生存基盤科学研究ユニット京滋フィールドステーション事業第5回研究会
下記のとおり、京都大学東南アジア研究所が担当する京都大学生存基盤科学研究ユニット京滋フィールドステーション事業(滋賀サイト型機動研究「在地と都市がつくる循環型社会再生のための実践型地域研究」)の亀岡フィールドステーションの発表を下記の予定で開催致しますので、興味のある方はご参加ください。
出席される方は、会場のスペースの関係もありますので、世話役を行なっている鈴木玲治rsuzuki@cseas.kyoto-u.ac.jpまでメールでご連絡ください。よろしくお願いいたします。
  1. 日 時:2008年10月24日(金)16:00 - 19:00
  2. 場 所:守山フィールドステーション(滋賀県守山市梅田町12-32、守山駅から歩いて5分です)
  3. プログラム:
    1.発表
      発表者:河原林 洋(亀岡FS研究員)
      発表題目:「筏」をシンボルとした保津川流域のつながりの再構築
      内容:「保津川筏復活プロジェクト連絡協議会」の組織作りの経緯と意義。
          今年9月10日に行われた「保津川筏復活プロジェクト2008」の報告と展望。
          「筏」をシンボルとした保津川流域のつながりの再構築
    2.これまでの活動報告と今後の計画
    3.その他 
  4.        ディスカッション
  5. 問い合わせ先:鈴木 玲治 (rsuzuki@cseas.kyoto-u.ac.jp)
G-COEイニシアティブ3研究会
  1. 日 時:2008年10月21日(火)16:00 -18:00
  2. 場 所:旧工学部4号館4階大会議室(東南研が引越中のため、場所変更になりました)
  3. プログラム:
    16:00-16:15
    リアウのサイト紹介
    16:15-16:45
    小林繁男(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科)
    東南アジア低湿地における温暖化抑制のための土地資源管理オプションと地域社会エンパワーメント
    16:45-17:15
    田中耕司(京都大学地域研究統合情報センター)
    リアウ州プラウキジャンの泥炭湿地と農地開拓:四半世紀前
    17:15-17:45
    川井秀一(京都大学生存圏研究所)
    泥炭湿地の持続的開発は可能か?
    17:45-18:00
    ディスカッション
  4. 発表内容:
    インドネシアスマトラ島リアウ州にある天然林・観光林それにSinarMas社の産業人工林が複合した領域(78万ha)が、現在"UNESCO Wild Life Reserve"として申請されています。このサイトを中心として、イニシアティブ3のメンバーによる文理融合の研究が展開できないかと計画しております。この研究は、インドネシア科学院(LIPI)、林業省(Dept of Forestry)、リアウ州政府とともに行う共同研究活動となります。そこで、リアウの地域に関する研究会を開催します。
G-COEイニシアティブ4研究会
  1. 日 時:2008年10月21日(火)14:00 -15:50
  2. 場 所:旧工学部4号館4階大会議室(東南研が引越中のため、場所変更になりました)
  3. 報告者:篠原真毅(京都大学生存圏研究所准教授)
  4. タイトル:「生存圏に宇宙は必要なのか - イノチのつながりと人と世界 -」
  5. 要旨:
    人間が今後持続可能な生存圏を形成していくために宇宙は本当に必要なのであろうか。減りゆく人口とこれまでのストック、太陽エネルギーと再生可能エネルギーの有効利用というパラダイムシフトで人間は生存が可能であろうか。本講演では地球環境の現状とそれをもたらした人間の業と性を考え、その間をつなぐ社会=イノチのつながりの重要性を述べながら、人という特殊な生物に適した生存圏に関して考察する。
  6. なお、本研究会に続いて、同じ場所で16時よりイニシアティブ3研究会が開催されます。
  7. コーディネーター:西 真如 (CSEAS)
G-COE第12回パラダイム研究会
10/20月曜日にG-COE第12回パラダイム研究会を開催いたします。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。 今回引越しの関係で会場がいつもの東南ア研ではなく、吉田地区の総合研究2号館となっておりますのでお間違えなきよう お願いします。
  1. 日 時:10月20日(月) 16:00-18:30
  2. 場 所:
    京都大学吉田地区 総合研究2号館 4F 会議室 (AA447)
    http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_y.htm
  3. 講 師:
    1)京都大学東南アジア研研究所 藤田幸一先生
    「緑の革命」と経済的離陸:インドの経験から何を学ぶか?
    2)近畿大学農学部 若月利之先生
    水田農業の普及によるアフリカの緑の革命実現とアフリカ型里山集水域の創造
    アジアにおける緑の革命の成果については様々な意見が混在する。しかし、緑の革命がマルサスの人口論にみられる人口/食糧の制約を打破し、多くの人々の生存を保証したことを通して、経済発展の基盤を提供したことは疑いない。
    一方、これまでの緑の革命に対する標準的な議論および批判は、土地、労働、資本といった生産要素と各要素の生産性、およびその社会的な分配の側面に偏りがちであった。特に、それが土地以外に投入された「自然資本」や、周囲の環境の持続性、そしてそれらが人々の生存に与える影響といった視点から省みられることは、未だに少ないのではないだろうか。
    アジアでの「成功」を踏まえ、現実的には今後アフリカにも緑の革命を、という期待が大きいが、それが成功するためには、上記のような視点も含めてアジアの過去から学び、またアフリカ社会に適合した「革命」でなければならない。
    本研究会では、各地域における緑の革命に関する話題を提供し、人々を取り巻く様々な環境要素からなる「生存圏」の発想から緑の革命を再検討することで、人々の生存と持続的経済発展の基盤を提供するための今後のグローカルな食糧生産のあり方に関して議論したい。
  4. コーディネーター: 篠原真毅
京都人類学研究会10月例会
都人類学研究会10月例会(共催:京都大学東南アジア研究所)が開催されます。奮ってご参加くださいますようお願いいたします。
  1. 日 時:12008年10月17日(金) 18:00開場 18:30開始
  2. 場 所:
    京都大学総合研究棟2号館(旧工学部4号館)4階会議室(AA447)
    会場までの道のりは、以下のアクセスマップをご覧下さい。
    http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_y.htm
  3. 演 題:見えないもののリアリティ:タイのピー信仰へのアプローチ
  4. 発表者:津村文彦氏(福井県立大学学術教養センター講師)
  5. コメンテータ:山田孝子氏(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)
  6. 要 旨: 
    東北タイ村落の呪術師のもとに、「悪霊(ピーポープ)に取り憑かれた」とされる若い女性が連れてこられた。呪術師によると、その悪霊は隣の村に住む老婆から発生したものだという。それを聞いた村人は「女性の夫が老婆の村に博打によく出かけていた」、「老婆は国道脇の土地を売って最近大金を手に入れたらしい」などと語り合う。
    この状況を目の前にした文化人類学者は、しばしば機能主義的に、あるいは象徴論的に、悪霊をめぐる〈社会的現象〉を分析する。「伝統的慣習」の維持に機能するものとして、あるいは外部から侵入する「近代」・「貨幣」を表象するものとして、悪霊をめぐる信仰を解釈する。しかし、「モラルの維持」や「社会的紐帯の強化」をキーワードにした機能主義的/象徴論的な視角は、ある程度の切れ味を見せながらも、悪霊の本質には決して届かないのではないだろうか。本発表で、古典的な文化人類学的手法への懐疑を出発点としながら、悪霊という超自然的存在を理解する際のもう一つのアプローチを探る試みを示したい。
    対象とするのは、タイ東北部におけるピーphiiと呼ばれる精霊であり、そのピーについての様々な語りである。タイ王国の宗教複合のひとつとして数え上げられることの多いピー信仰は、守護霊祭祀を通じた社会構造との関連性や、上座部仏教との関係に注目されて、これまでの研究が蓄積されてきた。だがこうしたアプローチではピーをめぐる現実の重要な部分が充分に掬いきれない。「ピーが社会的含意として別の何かを表している」という説明の位相とは異なったところにある、「目に見えない何かについて恐怖する」というそこに生きる人々の社会的現実が抜け落ちるのである。ピーをめぐる社会的現実を支えるものは何かを問うことで、ピーという超自然的存在がもつ本質に迫ることが本発表の目指すところである。
  7. 備 考:
    事前の参加予約は必要ありません。
    当日は、資料代として200円をいただきます。
    京都人類学研究会は、京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ大学院生・研究者がその研究成果を報告する場です。どなたでも自由に参加いただけます。
  8. お問い合わせ先:inq_kyojinken@yahoo.co.jp 細田尚美(10月例会担当)、清水展(京都人類学研究会代表)
「農村開発における地域性」研究会
「農村開発における地域性」研究会を下記のとおり開催致しますので、興味のある方は、是非、参加ください。
今回は、現在、バングラデシュからJICA研修員として来日おられる、お二人の研修員をお招きして、お二人がかかわっておられるJICA農村開発プロジェクトに関する関連する下記のテーマで30分ほど発表していただき、質疑応答を行いたいと願っています。
  1. 日 時:10月15日(水) 9:00-10:30
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟1階会議室(E107)
  3. 研修員のお二人:
    Mr. KHAN Md. Aminur Rahman リンクモデル推進室課長
    Mr. MOLLA Muhammad Hasanul Hoque タンガイル県カリハティ郡プロジェクト副担当官
  4. 発表テーマ:「行政と住民のエンパワメントを通じた参加型農村開発プロジェクト(フェーズ2)」とBRDB,日本での研修
  5. コーディネーター:
    安藤和雄 東南アジア研究所
    地域研究情報ネットワーク部実践型地域研究推進室(人間生態相関研究部門兼務)
The International Symposium on Sulawesi Area Studies
  1. 日 時:2008年10月11日(土)
  2. 場 所:Gedung PKP ( Hasanuddin University 3階)
  3. 共催:Hasanuddin University/ Global COE Program ”In Search of Sustainable Humanosphere in Asia and Africa/ ” ITP Program “On-Site Education of Practical Languages for Area Studies”
  4. プログラム:PDF
Special Seminar
  1. 日 時:2008年10月10日(金)10:30-12:00
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階大会議室(E207)
  3. 発表者:Dr. Paul Close, CSEAS Visiting Researcher
  4. 話 題:"Towards an East Asian Community (with thanks to Charles Darwin and Karl Marx)"
  5. 要 旨:
    The processes of regionalisation and regional integration in Southeast Asia and East Asia towards the construction of the ASEAN Community and, more inclusively, what has come to be widely referred to as the East Asian Community (EAC) is attracting growing political and academic attention, with the topic of the comparison and relationship – as conducted through the Asia-Europe Meeting (ASEM), for instance - between a) East Asian integration around ASEAN and its extensions and b) European integration around the European Community (EC) and Union (EU) being of major interest. The attention being given to East Asian integration reflects a largely supportive stance on the prospect of an EAC, albeit mixed positions on the possibility and desirability of the EAC resembling the EC and EU, especially in its institutional makeup. Still, the differences over detail aside, there appears to be a clear drift in political and academic circles in East Asia towards regionalism, that doctrine, ideology or set of principles which favours and facilitates regional integration, the process whereby an identifiable region – such as Europe, Southeast Asia or East Asia - becomes more and more socially (economically, politically, culturally) unified and cohesive.
    As with European integration, while historical, cultural and related considerations will play a part in conditioning the process of East Asian integration, and so in shaping the resulting East Asian regional social formation (the EAC) – around the ASEAN-China- Japan triptych - they will play only a secondary and largely contingent, rather than a decisive, part. What will matter above all in determining both European and East Asian integration are the agendas, interests and power that are rooted in the prevailing political economy sphere of social life; in that sphere which is being gradually elevated from the nation-state level to the regional and global levels in accordance with the processes of de facto regional integration, on the one hand, and globalisation, on the other.
  6. コーディネーター: 水野広祐(CSEAS)
第13回近畿熱帯医学研究会
  1. 日 時:2008年10月4日(土)15:00 -
  2. 場 所:
    関西医科大学(滝井校舎)1号館4階第三講堂
    守口市文園町 TEL: 06-6992-1001(代表) 06-6993-9438(教室直通)
    最寄駅:京阪電車「滝井駅」下車北側徒歩3分
    (京阪滝井駅には普通列車しか止まりませんので、京橋もしくは守口市駅にてお乗換え下さい)
    あるいは地下鉄谷町線「太子橋今市駅」2番出口徒歩10分
  3. 話題提供者・演題:
    15:00~16:00:
    1) 熱帯地域の結核の現状
    角泰人 (結核予防会結核研究所 抗酸菌レファレンスセンター 細菌検査科)
    15:10~15:40: 休憩
    16:15~17:15:
    2) 予防接種に関する最近の話題 ―インフルエンザを中心に― 
    宮崎圭一郎 (財団法人化学及血清療法研究所)
    17:30~: 終了後 懇親会(軽食のみ) 於 公衆衛生学教室研究室
  4. *研究会は入場無料です。皆様の御来場をお待ち申し上げます。
  5. 問い合わせ先: 中口義次
生存基盤科学研究ユニット京滋,フィールドステーション事業守山フィールドステーションでのもやいフォーラム
京都大学東南アジア研究所が担当する京都大学生存基盤科学研究ユニット京滋フィールドステーション事業(滋賀サイト型起動研究「在地と都市がつくる循環型社会再生のための実践型地域研究」)の守山フィールドステーションで、フォーラムを、NPOもやいネットと共同開催いたします。興味のある方は、是非、守山フィールドステーション担当者の嶋田菜穂子さんにメールで連絡の上、ご出席ください(メールアドレスは下記に記してあります)
  1. 日 時:2008年10月4日(土)14:00 -
  2. 場 所:守山フィールドステーション(滋賀県守山市梅田町12-32)
  3. プログラム:
    1.『薪・木炭の利用への再考:生活エネルギーとしての地球温暖化への意義-ラオスとギニアの調査事例から-』
    小林繁男
     熱帯林減少・劣化は森林から文化的価値、生態学的価値、社会・経済的価値の低下をもたらしている。
     遠隔地域の森林とともに住む住民の生活にとっての生活はエネルギーとして燃材資源の低下、生活水の汚染・枯渇や経済に依存しないコモディティー(林産物)の減少などに深刻な影響がある。
     ラオスとギニアの薪・木炭の利用から、生態学的な資源の減少問題とグローバル化による村落での経済格差が伝統的社会制度を壊してゆく過程を皆様と一緒に考える。
    2. 『美しい湖国』プロジェクトの経過報告と今後のねらい
    高谷好一
    1.『美しい湖国』の発想のはじまり
    2.八代の家(2002~2008)でやってきたこと
    3.梅田の家(2008.5~)でやっていること
    4.私のねらい
    3.懇親会
    13:30 京都発
    13:52 守山着  
    の新快速に乗り合わせ、改札で待ち合わせ、JR守山駅から徒歩4分です。
  4. 参加の場合の連絡先:
    嶋田奈穂子(守山フィールドステーション、滋賀県立大学大学院)tamalovestama@hotmail.com