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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

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過去のセミナー案内:21年度

2009年10月

生存基盤科学研究ユニット京滋フィールドステーション事業第16回研究会
下記のとおり、京都大学東南アジア研究所が担当する京都大学生存基盤科学研究ユニット京滋フィールドステーション事業(滋賀サイト型機動研究「在地と都市がつくる循環型社会再生のための実践型地域研究」)の研究会を開催致しますので、興味のある方はご参加ください。
ご出席される方は、会場のスペースの関係もありますので、10/28(木)までに世話役を行なっている鈴木玲治rsuzuki@cseas.kyoto-u.ac.jpへメールでご連絡ください。よろしくお願いいたします。
  1. 日 時:2009年10月30日(金)16:00~19:00
  2. 場 所:
    守山フィールドステーション
    (滋賀県守山市梅田町12-32、JR守山駅から徒歩5分)
  3. 発表者:西村明弘(京都学園大学大学院人間文化研究科 修士課程1年)
  4. 発表題目:「保津川筏復活プロジェクトにおける地域学の可能性 ~亀岡学を事例に~」
  5. 発表内容:2008年、2009年に実施された保津川筏復活プロジェクトは、行政、NPO、大学などの様々な分野の団体の協働によって企画・運営されたものである。同時に、本プロジェクトは亀岡市文化資料館の企画展で提唱された地域学「亀岡学」の1つの具体的な事業でもある。本プロジェクトの映像を用いながら、地域学によるまちづくりへの可能性に眼差しを向けたい。
第142回東南アジアの自然と農業研究会・ G-COEイニシアティブ2「人と自然の共生研究」共催研究会
今回の研究会では、『タンザニアの農村における慣習の変化と農業へのインパクト―土地利用と労働力確保に注目して―』を共通テーマに、山根裕子氏(名古屋大学農学国際教育教育協力研究センター)、一條洋子氏(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)のお二人にご報告いただきます。
  1. 共通テーマ:『タンザニアの農村における慣習の変化と農業へのインパクト―土地利用と労働力確保に注目して―』
  2. 日 時:2009年10月30日(金) 15:30-
  3. 場 所:東南アジア研究所 稲盛財団記念館3F 中会議室
  4. テーマ内容:
    タンザニアでは、とくに1980年代の構造調整政策の導入によって市場経済化が進み、農村の人々をとりまく社会経済環境も大きく変化してきた。農村に生活する彼らは、個々の生計あるいは農村全体を維持していくために、一方では既存の慣習を維持しつつ、他方ではそれらの慣習を柔軟に変化させて対応してきている。今回の研究会では、このように変容しつづけているタンザニアの農村における土地利用と労働力確保に関する二つの報告を通し、事例地で観察される農業の現状とその背景にある慣習との関係について発表し、社会経済の変化に応じて地域の慣習がどのように変化あるいは維持されているのかを考察するための話題を提供する。
  5. 話題1:「タンザニアの山地農村における土地利用とクランを中心とする土地保有との関係について」
  6. 発表者:山根裕子(名古屋大学農学国際教育教育協力研究センター)
    タンザニアの南北のほぼ中央、海岸部の大都市ダルエスサラームから約200km内陸にウルグル山塊と呼ばれる山がある。南北約55km、東西約30kmにわたって展開する山の全域にはルグルと呼ばれるエスニックグループの人々が約300年ほど前から斜面の農業を営みながら暮らしてきた。この山の東側標高600~1300mに展開するキボグワ村にはシナモンやチョウジ、パンの木などの樹木作物から成る叢林的景観が発達した屋敷地がいくつも見られる。一方で、屋敷地の外側に広がる斜面の畑には単年生の主食用作物の栽培がおこなわれており、屋敷地と斜面の畑とでは植えられる作物が大きく異なっていた。本発表では、このような土地の利用の違いがこの村で暮らすルグルの人々のどのような社会文化的背景から生み出されているのかを、母方のクランを軸とする土地の保有の実態との関連を中心に説明したいと考えている。そして、市場経済の浸透が進み変容し続けている現在のタンザニアの農村においてのクランの実態とその意味をこの村の事例を元に考察してみたいと考えている。
  7. 話題2:「タンザニア農村における労働慣行の変容と農家の生計戦略」
  8. 発表者:一條洋子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
    タンザニアのほぼ中央に位置するドドマ州のドドマ・ルーラル県は半乾燥地域であり、農業生産性は低く、経済水準の低い地域である。この地域の農業では、降雨に合わせた適期の耕起作業や、迅速な除草作業および収穫作業が求められ、往々にして家族労働力ではまかないきれない労働力を外部から確保する必要が生じる。こうした一時的な労働力需要の高まりに対し、かつては「労働交換」が広く採用されていた。労働交換は、現金を持たない小農が相互に家族労働を提供しあう慣行である。他の途上国農村と同様に、事例地においても労働交換は人々が農業を営み生計を維持するために重要な役割を担ってきた。ところが近年では、とくに現金需要の高まりから働き手の“労働交換離れ”が進み、外部労働力確保の手段は賃金雇用に置き換えられる傾向にある。しかしどの農家も一様に賃金雇用によって外部労働力を確保できるわけではない。本報告では、労働交換が衰退していく事例地において、個別農家が生計戦略として労働力調達方法をどのように選択しているのか、またその労働力をどのように利用しているのかについて、文化的背景を考慮しつつ明らかにする。
平成21年度 京都大学東南アジア研究所共同研究「東南アジア研究資料の共有化と図書館間協力」
第1回研究会プログラム
  1. 日 時:10月30日(金)13:00~16:15
  2. 場 所:
    日本貿易振興機構アジア経済研究所 A23会議室
    (千葉県千葉市美浜区若葉3-2-2)
  3. 共 催:地域研究コンソーシアム 情報資源共有化研究会
  4. 内 容:
    東南アジア新聞・官報の現状に関するヒアリング
    アジア経済研究所の各国専門家による現状解説の後、質疑応答
  5. プログラム:
    13:00 開会
    13:05~14:05 ラオス  山田紀彦(アジア経済研究所地域研究センター)
    14:05~15:05 ミャンマー 中西嘉宏(アジア経済研究所地域研究センター)
    15:05~15:15 休憩
    15:15~16:15 シンガポール・マレーシア 東川繁(アジア経済研究所図書館)
Special Seminar
  1. 日 時:2009年10月22日(木)  16:00-18:00
  2. 場 所:京都大学 東南アジア研究所 稲盛記念館3F中会議室
  3. タイトル:‘Imperial Alchemy: Nationalism and Asia’
  4. 講 師: Prof. Anthony Reid 
  5. 要 旨:
    The mid-twentieth Century marked one of the greatest watersheds of Asian history. The relatively brief Japanese occupation of Southeast Asia and much of China, and its sudden ending with the atomic bombs of August 1945, telescoped what might have been a long-term transition into a dramatic and violent revolution. In essence, imperial constructs were declared to be nation-states, the sole legitimate model of twentieth century politics.
    The growing literature on nationalism would suggest that the winners from the collapse of empires should have been ethnically homogeneous nation-states. Yet each major Asian state looks like an anomaly, failing to undergo the kind of culturally homogeneous national assertiveness that broke up empires in Europe under the new pressures of industrialisation and print capitalism. Imperial borders were sanctified by China, India, Indonesia, Burma and the Philippines, though each experienced modernity under radically different conditions.
    How do we explain this curious alchemy generated by nationalism in Asia? In a book just finished I have used Indonesia and Malaysia as models for two kinds of alchemy in Southeast Asia, revolutionary/unitarian and evolutionary/federal. This talk will discuss a typology which may help us understand Asian nationalism more generally.
  6. Anthony Reidについて:
    Anthony Reid is a Southeast Asian Historian, currently a Research Fellow at CSEAS. His permanent base is now again at the Australian National University, after periods as founding Director of CSEAS at UCLA (1999-2002) and of the Asia Research Institute of the National University of Singapore (2002-7). His most recent book, the subject of this talk, is Imperial Alchemy: Nationalism and political identity in Southeast Asia (Cambridge University Press, Dec. 2009).
G-COE第22回パラダイム研究会
  1. 日 時:2009年10月19日(月)  16:00-18:00 (その後懇親会あり)
  2. 場 所:京都大学 東南アジア研究所 稲盛記念館3F大会議室
  3. 講 師:
    峯陽一先生(大阪大学グローバルコラボレーションセンター)
    「人間の安全保障と開発----国際規範の指標化は可能か?」
  4. コメンテーター:
    佐藤孝宏氏・和田泰三氏 (京都大学東南アジア研究所)
    生方史数先生 (岡山大学)
  5. 災害や紛争の脅威からすべての個人・あらゆる集団の生存を保障するという理念を掲げ、「人間の安全保障」はメインストリームの国際規範としての地位を確立しつつあるように思われる。今回のパラダイム研究会では、「人間の安全保障」が守ろうとする人間の「中枢」部分とは何か、また「人間の安全保障」の指標化は可能かという問題について、峯陽一先生(開発経済学、アフリカ研究)にお話しを頂き、その上で、本GCOEプログラムの「生存基盤」および「生存基盤指数」との比較を念頭におきつつ議論したい。
  6. 講演要旨:
    人間開発(HumanDevelopment)は、経済成長至上主義に対する理念的カウンターバランスとして登場し、1990年から刊行されているUNDP(国連開発計画)のHDR(人間開発報告書)を通じて、国際規範としての地位を確立した。人間開発の概念は、インド出身の経済学者アマルティア・センのケイパビリティ理論に立脚するものである。人間開発を実践に適用するために、UNDPはHDI(人間開発指数)を開発したが、センは指数化に当初は反対だったという。1994年のHDRでは、新たに人間の安全保障(HumanSecurity)の概念が提唱された。2003年の「緒方・セン報告書」において、センは、人間の安全保障を危機論(ないし、リスク論)にひきつけて理解する視点を提示している。経済開発と社会開発を統合した人間開発に対して、人間の安全保障は、人間開発を政治と人文学の領域に拡張するものだと解釈することができるかもしれない。しかし、人間の安全保障を計測する指数は、いまだに登場していない。この20年間の国連を舞台とするヒューマン・ノルム(人間性にかかわる規範)の展開を跡づけながら、人間の安全保障の考え方のもつ強さと弱さ、そして指数化の力と限界について、問題提起したい。
G-COE特別パラダイム研究会
  1. 日 時:2009年10月19日(月)  14:30-15:30
  2. 場 所:京都大学 東南アジア研究所 稲盛記念館3F大会議室
  3. 講 師:Endang Sukara (LIPIインドネシア科学院次官)
  4. タイトル:Biosphere Reserves in Indonesia
  5. 内 容:インドネシアに存在する7つのBiosphere Reserves 全般について解説する。特にユネスコ登録の効果と問題点についてアナリシスを行う。ユネスコ登録の意義を問いたい。
東南アジアの「消滅に瀕する焼畑」に関する文化生態的研究第2回研究会 「日本の焼畑」(東南アジア研究所・公募共同研究)
  1. 日 時:2009年10月10日(土) 13:00 - 18:00
  2. 場 所:名古屋大学 東山キャンパス 環境総合館 3階講義室(名古屋市千種区不老町)
  3. プログラム
    13:00~13:10 趣旨説明(横山智・名古屋大学大学院環境学研究科准教授)
    13:10~14:10 講演1 「焼畑をめぐる諸問題―信州遠山郷下栗の事例を緖にして―」(野本寛一・近畿大学名誉教授)
    14:10~15:10 講演2 「日本の山村で見聞した最終期の焼畑について」(阪本寧男・京都大学名誉教授)
    15:10~15:30 コーヒー・ブレーク
    15:30~16:30 講演3 「焼畑像の近代―日本の焼畑をめぐる排除と改良の視線―」(米家泰作・京都大学大学院文学研究科准教授)
    16:30~17:30 総合討論(司会:河野泰之・京都大学東南アジア研究所教授)
    17:30~17:40 事務連絡など
    終了後 懇親会(場所は、当日ご案内します)
  4. 研究会の趣旨:
    東南アジア各地ではかつて焼畑耕作がさかんに営まれていたが、近年では、常畑やプランテーション、植林地などへの転換が進められ、その面積が急激に減少している。焼畑は次世代へと継承されるのか、それとも、このまま終焉を迎えるのか。現在、その分岐点にあるといえよう。
    このような現状のもと、本研究会では、1960年代後半から80年代にかけて蓄積された先行の焼畑研究をふまえつつ、農法としての持続可能性をはじめとして、生態、文化、社会、政治、経済といったさまざまなコンテクストから東南アジアで営まれている焼畑を捉え直すことをめざす。これによって、焼畑の価値を多面的かつ総合的に探り、焼畑に関する新たな視点を提示する。
  5. 第2回研究会について:
    現在、世界の亜熱帯・熱帯地域で営まれている焼畑に関して、自然科学的な研究に関しては、多くの成果が蓄積され、焼畑農法の持続性については、かなり解明されている。ところが、環境問題が世界で最大の関心となり、グローバル化が進展する現代において、焼畑をどのように位置づければよいのかとの問いに対しては、意見の対立が生じている。とくに、東南アジアでは、焼畑を営む社会や焼畑民の生業・生活システムなどの研究では、調査研究する側の立場や専門の違いによって、焼畑(民)に対する解釈の仕方が全く異なり、焼畑をどうすべきかの議論が進まず、それが消えゆくのをただ見守るだけの状況である。
    一方、日本にも焼畑が(かつて)あり、それが長年の社会変容の過程で拡大・縮小を繰り返してきた。結局、日本では昭和40年代に生業手段として営まれる焼畑は消滅した。この過程については、幸いなことに、中世から近代に至るまで、膨大な研究成果が蓄積されている。したがって、東南アジアが直面しているさまざまな問題の解決に日本の経験を活かすことが可能である。そして、これまでの東南アジアの焼畑研究とは異なった視点からの問題提起もできるかもしれない。
    第2回研究会は、他国が現在直面している焼畑の消滅に対して、日本の経験をどのように活かすことができるのか考えることを目的に開催します。そのために、これまで国内の焼畑を調査研究してきた方々の話をうかがい、意見を交換する機会を持ちたいと考えております。
  6. ポスター: PDF
G-COEイニシアティブ2研究会
  1. 日 時:2009年10月9日(金) 16:00 - 18:00
  2. 場 所:稲盛財団記念館2階213号室 (地域研究統合情報センター・セミナー室)
  3. 話題提供:甲山治(京都大学東南アジア研究所)
  4. テーマ:変動から見た東南アジア島嶼部の気象の特徴
京都大学総合博物館・学術映像博2009 特集企画・トークイベント
京都大学東南アジア研究所が担当する生存基盤科学研究ユニット京滋フィールドステーション事業では、京都大学総合博物館で開催中の学術映像博2009において、「水・土・火と生きる風景:在地の昔と今をつなぐ」と題した企画展示を行っています。
9/25に企画展示をリニューアルいたしましたので、是非ご来場ください。
また、9/30(水)~10/4(日)には、特集「自然と暮らし」として、各FSの活動を紹介する以下の映像作品を、博物館2Fで上映する予定です。 「琵琶湖に生きる風景」(守山FS、制作:武藤恭子・嶋田奈穂子)
「保津川筏復活プロジェクト」(亀岡FS、制作:保津川筏復活プロジェクト連絡協議会)
「焼畑プロジェクト余呉:火入れ」(朽木FS、制作:井上一)
また、10/3(土)~10/4(日)には、以下の2つのトークイベントを企画しています。
  1. 「琵琶湖に生きる」
  2. 日 時:2009年10月3日(土) 15:00 - 16:30
  3. 場 所:京都大学総合博物館2F
  4. 出 演:戸田直弘(琵琶湖漁師)
  1. 『筏がつなぐ「ひと」、「もの」、「ちいき」』
  2. 日 時:2009年10月4日(日) 10:30 - 12:00
  3. 場 所:京都大学総合博物館2F
  4. 出 演:
    黒川孝宏(亀岡文化資料館館長)
    上田潔(元筏士)
    酒井昭男(元筏士)
    片井操(片井鉄工所・鍛冶)
    河原林洋(東南アジア研究所・特任研究員)
  1. 詳 細:PDF
  2. ポスター:PDF
  3. これらの展示、映像、トークイベントを通じ、在地の技や知恵を体感していただくとともに、これからの暮らしについて、一緒に考えていただければ幸いです。
    みなさんのご来場をお待ちしております。