過去のセミナー案内:21年度
2009年12月
- 生存基盤科学研究ユニット京滋フィールドステーション事業第18回研究会
- 下記のとおり、京都大学東南アジア研究所が担当する京都大学生存基盤科学研究ユニット京滋フィールドステーション事業(滋賀サイト型機動研究「在地と都市がつくる循環型社会再生のための実践型地域研究」)の研究会を開催致しますので、興味のある方はご参加ください。
ご出席される方は、会場のスペースの関係もありますので、12/24(木)までに世話役を行なっている鈴木玲治rsuzuki@cseas.kyoto-u.ac.jpへメールでご連絡ください。よろしくお願いいたします。
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- 日 時:2009年12月25日(金)14:00~17:00
(時間が通常とは異なります。ご注意ください)
- 場 所:守山フィールドステーション
(滋賀県守山市梅田町12-32、JR守山駅から徒歩5分)
- 発表者:嶋田奈穂子(守山FS研究員)
- 発表タイトル:「守山市中心市街地におけるそば栽培とその効果」
- 発表内容:守山市中心市街地に点在する“町家の裏の畑”を、地域資源としてどのように活用することができるか。その試みとして行ったそば栽培と、その効果についての報告。
- 第6回ドバイ移民社会研究会
- 今回の研究会では、中東湾岸諸国における外国人労働者をめぐる国内政治体制と、労働者送出し国に関する2つの報告が行われます。
オープンな研究会です。多くの方々のご参加をお待ちしております。
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- 日 時:
:2009年12月19日(土) 15:00~18:00
- 場 所:
京都大学総合研究2号館4階会議室(AA447)[本部構内]
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_y.htm
- プログラム:
- 15:00-16:00
松尾昌樹氏(宇都宮大学)
「湾岸アラブ型エスノクラシー:バハレーンとクウェイト、カタルの事例から」(仮)
16:00-17:00
平野恵子氏(お茶の水女子大学大学院)
「移住労働者として働きに出ること・出すこと―インドネシア・チアンジュールを事例として―」
17:00-17:10 コーヒーブレイク
17:10-18:00 ディスカッション
- *ドバイ移民社会研究会は、科研プロジェクト「ドバイで働くフィリピン女性のアイデンティティの再編:キリスト教徒とムスリムの比較」(基盤研究B)を中心にしたものです。本プロジェクトでは、フィリピンの二つの集団(キリスト教徒とムスリム)の女性に注目し、ドバイへの出稼ぎを通じた彼女らのアイデンティティの変容に注目し、近年世界各地で顕著になっている女性の海外就労の地域社会への影響を考察しています。
- 第13回京都大学国際シンポジウム「学術研究における映像実践の最前線」
- 第13回京都大学国際シンポジウム「学術研究における映像実践の最前線」は、宇宙物理学、医学から、生物学、人類学、社会学、心理学、情報工学までの多様な映像実践を紹介し議論する世界的にも類をみない画期的な学際的試みです。映像実践を通じた新たな学術領域の開拓に挑み、学術映像の世紀を拓く京都大学発の記念すべき国際シンポジウムに、奮ってご参加ください。
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- 日 時:
2009年12月11日(金)10:00~18:30
2009年12月12日(土) 10:00~18:30
2009年12月13日(日) 10:00~18:00
- 場 所:
- 主 催:京都大学
- 企 画:
京都大学地域研究統合情報センター、大学院文学研究科、大学院教育学研究科、大学院理学研究科、大学院医学研究科、大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、大学院情報学研究科、人文科学研究所、東南アジア研究所、学術情報メディアセンター、総合博物館、野生動物研究センター
- 協 力:京都大学オープンコースウェア
- 後 援:京都大学教育研究振興財団
- プログラム(日英同時通訳あり):
- 参加申し込み(定員400名)・お問い合わせ先:
- お問い合わせ先(事務局):visual-media.practices[at]cias.kyoto-u.ac.jp
WEBSITE:http://gaia.net.cias.kyoto-u.ac.jp/visual-media.practices/
- 第3回GCOE国際シンポジウム「現代社会における「自然」概念を問う:文理融合的フィールド科学からのアプローチ」
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- 日 時:2009年12月14日(月)~17日(木)
- 場 所:京都大学 東南アジア研究所 稲盛財団記念館 大会議室 333室
- プログラム:PDF
- フィリピン映画上映会
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- 日 時:2009年12月9日(水) 18:00~上映開始
- 場 所:総合研究棟2号館(旧・工学部4号館)4階・401教室
- 上映映画: 「最後の晩餐・No 3」 (LAST SUPPER NO. 3)
- 内 容: テレビ・コマーシャルを製作する助監督が直面する裁判をめぐる、シニカル・コメディ。フィリピンの司法制度への社会批評として秀逸。2009 年度シネマラヤ映画祭でグランプリを受賞した作品です。
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- なお、上映終了後に、Nicanor Tiongson 教授に20~30ほどの、解説レクチャーをしていただきます。
- 第3回 ジャカルタ都市研究会
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- 日 時:2009年12月7日(月) 13:00~16:00
- 場 所:京都大学東南アジア研究所稲盛財団記念館中会議室
- 演 題:「インドネシア海大陸の気候・気象と人々の往来」
- 講 師:山中 大学氏
(海洋研究開発機構 地球環境変動領域 熱帯気候変動研究プログラム
- 海大陸気候研究チーム 上席研究員)
(神戸大学理学研究科地球惑星科学専攻連携大学院教授)
- コメンテーター:杉原薫氏(京都大学東南アジア研究所教授)
- (GCOEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」
- 発表要旨:
- 熱帯の気候は、日射(とその逆の放射冷却も)に敏感に反応して温度変化する陸地と、極めて鈍感な海洋との間で維持されている。豪亜両大陸の間、かつ印度・太平両洋の間にあって、海陸の混在するインドネシア海大陸では、海陸風とモンスーンがそれぞれ日・年周期の雨をもたらす。海大陸から遠く離れた海洋上では,それらの中間的(季節内変動)あるいは1年より長い周期(エルニーニョなど)で雲の巨大な塊が作られ、貿易風に逆らって東に進むので、印度洋のそれは海大陸にぶつかり、上陸後も生きながらえたものは太平洋上のそれとなる。このような海陸分布ができてから出現した人類は、当初は氷期の海面低下で出現した陸橋を、後に文明を得てからはモンスーンを利用して海大陸にやってきた。周期的に豊富に与えられる日射と雨水が育んだ熱帯雨林は、海大陸を人々の定住あるいは商売に格好の場所としたはずである。しかしその場所は、海大陸の中で一定せず、民族・時代によってかなり変わっている。現代のジャカルタとなったバタビアも、そのような気候変動と人類史が生んだ海大陸内の定住場所の一つであると考えられる。幾多の自然的・社会的困難を乗り越え今やG20の一国となったインドネシアの首都となったジャカルタは、温暖化する地球やボーダーレス化する人類の往来の中で今後どうなっていくのか。それを考えることは、もはやジャカルタ自身やインドネシア一国の問題ではなく、地球の気候と人類の将来を考えることにほかならないと言える。
- 参考文献:
山中のホームページ http://aoe.scitec.kobe-u.ac.jp/~mdy/
山中の現在のプロジェクトのホームページ http://www.jamstec.go.jp/iorgc/harimau/HARIMAU_jp.html
最近の一般公開シンポジウムでの講演をまとめたもの
- 山中大学, 2008: 点を線に,線を面に: 東南アジアの大気観測ネットワーク.「地球環境の心臓: 赤道大気の鼓動を聴く」(深尾昌一郎・山本衛(編)),
大学と科学公開シンポジウム収録シリーズ, クバプロ, 144-155.
- 主 催:
- 地球研「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト」プロジェクト (通称:メガ都市プロジェクト 代表:村松伸)
- http://www.weuhrp.iis.u-tokyo.ac.jp/chikyuken/
- 京都大学東南アジア研究所GCOEプログラム 「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」
- http://www.humanosphere.cseas.kyoto-u.ac.jp/
- 第143回「東南アジアの自然と農業研究会」・「限界地の生存研究会」共催研究会
- 12月の定例会では「限界地の生存研究会」との共催として、日本の離島や中山間地域、棚田など土地利用景観の活用と保全について、信州大学からお二人をお招きしご発表いただきます。皆様のご参加と活発な議論を期待しております。
- 日 時:2009年12月4日(金)16:00~18:45
- 場 所:東南アジア研究所 稲盛財団記念館3F 中会議室
- 発表者1:上原 三知(信州大学 農学部、助教)
題 目:瀬戸内海の島々における土地均分制度の有無と持続的な植生・土地利用景観の関連
要 旨:
2005年の日本造園学会80周年記念国際シンポジウムでは、世界普遍的な持続可能性を追求する一方で個性的な自然や文化を尊重する「持続可能なランドスケープ(sustainable
landscape)」という概念が提案され、その実現に向けて、地域固有の自然環境や歴史文化に着目することで世界的な問題に挑戦しつつ、個性的な解を求めるべきとの指摘がなされた。
共有資源の利用に関してはコモンズへの関心が高まっているが、千葉徳爾は入会地(共有地)の分割は内陸では近世末から明治初年になってようやく行われはじめたものが多いものの、特に交通の便で商品生産が早くおこった瀬戸内地方の島峡や沿岸村落ではわが国で最も古くから割山や個人所有林を制度化していたと指摘する。 また宮本常一も、瀬戸内海の離島に見られる土地均分制度と海洋民の定着との関連性を指摘している。
このように日本の中で特に、雨が少なく森林の再生が難しい気候条件におかれながら、高い人口圧と製塩産業による森林等の自然資源の積極的な利用とその保全が早くから顕在化した瀬戸内海域では、どのような環境の保全・活用モデルによって、江戸期に訪れたリヒトフォーヘンやケンペル、シーボルトらに美しいと評価された景観の多様性と地域資源の持続性を担保してきたのかについて考察を行う。
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- 発表者2:内川 義行(信州大学 農学部、助教)
題 目:長野県姨捨棚田の重要文化的景観とその保全
要 旨:
長野県千曲市の姨捨棚田は、その一部(当初約3ha)が平成11年,国内の棚田としては初の文化財・名勝に指定された。さらに2009年11月現在、周辺棚田(約75ha)を含む、地域一帯を新たな文化財・重要文化的景観として保全すべく選定の申出中である。
我が国における棚田の文化的景観価値は高く評価されるものの、その保全には(1)耕作の継続(①耕作者の確保、②耕作と維持管理の方法、③経営)、(2)住民の合意形成(①保全対象、②保全方法)等の課題を有している。特に棚田の存在は、毎年の耕作継続という営農行為が前提のため、一般的な文化財保護にみる凍結・静態的「保存」ではなく、規定された許容範囲における若干の改変をも認める動態的「保全」の考え方が不可欠となる。
姨捨棚田では、住民の耕作継続と合意形成に配慮し、狭小で不整形な区画の地域だけでなく、近現代の生活・生業の歴史を示す圃場整備地域をも含み保全対象とし、それらの産業遺産的価値を文化的景観の中に積極的に位置づけ保全計画を作成した。本事例をとおし、現代における動態的存在としての文化的景観の保全のあり方について考察したい。
- Special Seminar発表者の都合上セミナーが中止になりました。
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- 日 時:2009年12月4日(金)15:00-
- 場 所:京都大学東南アジア研究所・共同棟4Fセミナー室
- 発表者:Prof. Jing Tsu, Yale University
- タイトル:“Meeting Places in Diaspora: ‘China’ in Malaysian Chinese Literature in
Taiwan”
- 要 旨:
Southeast Asia was once considered by Liang Qichao to be China's naturally
endowed colony by virtue of its geographical proximity. While his comment
reflects an early phase of nationalistic thinking where such expansionist
views were little contested, the opposite has been unfolding in current
literary studies. Southeast Asia, in the writings of contemporary Malaysian
Chinese authors, has become the place where the idea of China is being
undone. A small but controversial group of Chinese Malaysian writers in
Taiwan has raised new challenges regarding the past and current historiography
of modern Chinese literature. The most outspoken of them have called for
a more extensive project of de-Sinicization. Their protests, however, are
much more than the expected contestations between major and minor literatures
within any given literary field. In my talk, I will be reevaluating this
recent phenomenon in light of the history of how the modern Chinese language--the
twin project of modern Chinese literature--left out the question of regional
dialects, now the rallying ground for Southeast Asia Chinese writers who
refuse to recognize Mandarin as their mother tongue. I further show how
their platform has been importantly influenced by the recent revisionist
approach in Taiwan toward the history of Japanese occupation.
- Prof. Jing Tsuについて:
Jing Tsu is Assistant Professor of Chinese Literature at Yale University.
She received her Ph. D. from Harvard University. She is author of Failure, Nationalism, and Literature: The Making of Modern Chinese Identity (Stanford University Press, 2005), Sound and Script in Chinese Diaspora (forthcoming), and co-editor of Global Chinese Literature: Critical Essays (Brill, forthcoming).
- Special Seminar
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- 日 時:2009年12月3日(木)16:00- 18:00
- 場 所:東南アジア研究所 稲盛財団記念館3F 中会議室
- 発表者: Dr. Erik Martinez Kuhonta, CSEAS Visiting Research Fellow from McGill
University
- タイトル:IS THE MIDDLE CLASS A HARBINGER OF DEMOCRACY? EVIDENCE FROM SOUTHEAST ASIA
- 要 旨:A vast body of literature claims that the middle class is a critical force
for democratic transitions, democratic consolidation, and political stability.
Yet, recent events in Thailand and in many Southeast Asian newly-industrializing
countries indicate that the middle class often challenges democratic regimes
or supports authoritarian juntas. How should we reconcile these divergent
views of the middle class? This presentation will argue that to understand
the relationship between the middle class and democracy it is necessary
to analyze the interests of the middle class, rather than to simply theorize
the middle class as the causal link between economic development and democratization.
By analyzing middle class behavior in four Southeast Asian countries –
Thailand, Malaysia, Indonesia, and Singapore – this article shows that
this class will rebel when democratic or authoritarian regimes fail to
address their key concerns: corruption, economic development, and political
stability.
- Dr. Erik Martinez Kuhontaについて
- Erik Martinez Kuhonta is assistant professor of political science at McGill
University in Montreal and a visiting fellow at the Center for Southeast
Asian Studies at Kyoto University. His research interests are in comparative
politics, political economy, and political development, with a focus on
Southeast Asia. He has published in academic journals including Asian Survey,
Pacific Review, Harvard Asia Quarterly, and American Asian Review, and
is co-editor of Southeast Asia in Political Science: Theory, Region, and
Qualitative Analysis (Stanford University Press, 2008). He received his
Ph.D. from Princeton University in 2003.
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- 第5回バランロンポ研究会
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- 日 時:2009年12月2日(水)13:30-15:00
- 場 所:京都大学東南アジア研究所・共同棟4Fセミナー室
- 報告者:浜元聡子(東南アジア研究所)
- 題 目:マカッサルの安産儀礼と出産の近代化
- 要 旨:伝統的なブギス‐マカッサルの社会では、妊娠7カ月目(日本式の計算では8か月)に達した際に、パッシリPa'siriという呼ばれる安産儀礼がおこなわれる。いずれは妊婦の出産を手伝い、新生児を取り上げることになる産婆がこの儀礼を司り、儀礼の本番と前後一日の合計3日間にわたり、妊婦の安産を祈願する儀礼と母体の健康を確認するためのマッサージなどをおこなう。儀礼の参加者はすべて女性であり、親族および隣人などが大勢集まる。安産儀礼に限らず、ブギス‐マカッサル社会のほぼすべての人生儀礼の際に準備される所定の儀礼用の菓子、黒い羽根のニワトリ、決まった種類の果物、ソンコ・バッラと呼ばれるコメ・バナナ・ヤシ砂糖を組み合わせた供物が準備され、にぎやかに執り行われる安産儀礼は、生まれてくる子どもを地域社会全体が待ち望んでいること、出産の際にはみなが協力し合うことを確認する機会でもある。近年では、伝統的な産婆に対する近代医学の立場からの衛生指導がおこなわれるようになり、一時的に停滞していた産婆が取り上げる出産の事例が、漸増傾向にある。南スラウェシ州バランロンポ島では、近代医療設備を調えた総合地域保健所が開設されて以来、近代医療分野の看護婦と産婆が連携して妊婦の健康管理に取り組むようになった。日本から紹介された母子手帳の普及とともに、地域社会における出産事情もまた変化しつつある。このような状況を、バランロンポ島でおこなわれたある安産儀礼を事例としながら紹介する。
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