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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

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過去のセミナー案内:16年度

2005年3月

国家・市場・共同体研究会のお知らせ
「国家・市場・共同体」研究会では以下の要領で研究会をおこないます。
世界的に注目を集めているイスラーム金融について、長期のフィールドワークをもとにした研究発表です。奮ってご参加ください。
  1. 日 時:2005年3月31日(木) 16:00-18:00
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所・共同棟3階・C307
  3. 発表者:北村 恵子(名古屋大学大学院国際開発研究科 博士後期課程)
  4. テーマ:インドネシアにおけるイスラーム式(シャリーア)小規模金融:ジョクジャカルタ特別州におけるシャリーア村落金融組合バイトゥル・マール・ワッ・タムウィル(Baitul maal wat Tamwil:BMT)の普及から
  5. 発表要旨:
     インドネシアでは、1980年代後半から、イスラーム復興の社会現象が顕著に見られるようになり、金融分野においても、イスラームのシャリーア(syariah イスラーム法)原則に基づいて運営される「シャリーア金融機関」の設立を実現しようとする動きが活発化した。その結果、1992年には同国初のシャリーア普通銀行であるインドネシア・ムアマラット銀行(Bank Muamalat Indonesia: BMI)が、スハルト大統領の支援を受けて設立された。同国では、ムアマラット銀行のほかにも、小・零細企業に対して100万ルピア以上の小規模融資を行なうシャリーア庶民信用金庫やシャリーア村落金融組合バイトゥル・マール・ワッ・タムウィル(Baitul maal wat Tamwil:BMT)が普及している。シャリーア村落金融組合は、インドネシアのシャリーア金融機関の中で、最も古くから実践されてきたとされ、現在までに全国で3000以上設立されている。
    さて本報告では、こうしたイスラーム式の小規模金融の中でも最も小規模な貸付を行なっているシャリーア村落金融組合に焦点をあてる。シャリーア村落金融組合の設立の背景について明らかにするとともに、ジョクジャカルタ特別州でおこなった調査をもとに、実際の経営状況および利用状況を検討し、シャリーア村落金融組合が直面している問題点と小規模金融としての今後の課題について述べる。
  6. 連絡先:見市健 
「環ヒマラヤ科研」研究会のお知らせ
  1. 日 時:2005年3月29日(火) 16:00-18:00
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所・東棟2階セミナー室
  3. 講演者:月原敏博(福井大学)
  4. 演 題:ヒマラヤ・チベットの文化地理 ―人間地生態史の観点から―
  5. 要 約:
    ヒマラヤとチベットの文化や社会経済は、地理的にはどのような現象と理解できるのか? これについて,ここ20年ほどの間に発表者が見聞きし、考えてきたことを話す。
    チベット人の定義を広くとると、チベット高原の周縁部にあたるヒマラヤの南斜面から雲南・四川との接境地帯に至るベルト状の地域も、その大部分は「チベット人」の世界である。そこでは、裸大麦の灌漑耕作やヤク・ヒツジ牧畜で特徴づけられる中央・西チベットとは異なる地形・気候と環境利用が広く分布するが、吐蕃以前の「チベット文化」を想定すると、この縁辺部の方が古くにはむしろコアエリアであった可能性すらある。
    多様な環境に適応しえた「チベット人」の環境利用技術の特徴とその柔軟性・安定性は、どのように説明可能か? 社会の統合をもたらした空間は、どのような地形的・生態的特徴をもっていたか? 農牧業や交通の発達と人口の移動・拡散は、森林や移動牧畜にこれまでどのような変化を引き起こし、また今後引き起こしうるのか? こうした疑問点を軸とし、農耕・牧畜という環境利用技術と、地形・森林と人口の関係からする開拓史にとくに注意を払いながら、講述する。
  6. 連絡先:「環ヒマラヤ科研」事務局 山田勇 / 平田昌弘
第13回「農村開発における地域性」研究会のお知らせ
第13回「農村開発における地域性」研究会を下記のテーマで開催します。今回は、第9回に行なったバングラデシュとその周辺というテーマに関連し、少数民族地域でのマジョリテイ、マイノリテイの問題に光を当てます。この問題は世界の紛争地域の普遍的問題でもあります。是非、興味のある方は参加ください。また、懇親会にもふるって参加ください。
  1. 日 時:2005年3月28日(月) 13:30-17:30
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所・東棟2階セミナー室
  3. タイトル:「農村開発における地域性ー生活・暮らしの基層ー:チッタゴン丘陵の問題とアッサムへのベンガルモスリム移民」
  4. 要 旨:
    バングラデシュの少数民族地域チッタゴン丘陵の少数民族が抱えている1997年の平和協定後に起きている今日的問題の現状を、少数民族への支援活動を行なっているNPO・ジュマネット代表 下澤嶽(しもさわたかし)さんに発表していただきます。この問題はインド東北地区へのベンガル移民、チッタゴン丘陵における東パキスタン時代の巨大ダム開発という歴史的背景にあります。アッサム州ブラマプトラ川氾濫原のへのベンガルモスリム移民の問題を東京外国語大非常勤講師 佐藤宏(さとうひろし)さんに発表してもらい、ベンガル人と少数民族の問題を考えます。ベンガル人移民は、インド英領期の開拓、茶園開設の時代をさかのぼり、少なくともアホム期初期から脈々と今日まで継続しています。ベンガル地域の歴史、宗教、文化、経済の専門家の方々の参加を得て、チッタゴン丘陵の少数民族が抱えている問題を、インド東北地域における「ベンガル」という地域概念、支援活動の実践という当事者性の視点から捉え、議論します。
  5. プログラム:
    発表
    1.13:30−14:30
    「チッタゴン丘陵の政治と平和の現状」下澤嶽(NPO・ジュマネット代表)
    2.14:30−15:30
    「アッサムへのモスリムベンガル移民」佐藤宏(東京外国語大学非常勤講師)
    3.15:30−15:45
    休憩
    4.15:45−17:30
    総合討論
    18:00−20:00
    懇親会
  6. 連絡先:安藤和雄(京都大学東南アジア研究所)
第22回「東南アジアの社会と文化」研究会のお知らせ
第22回定例研究会を下記の通り開催します。今回は、国立民族学博物館の吉本忍さんが、東南アジアの機織り文化の独自性と普遍性について隣接諸地域との比較の観点から報告します。多くの方の参加をお待ちしています。研究会終了後、懇親会を行いますので、こちらにも振るってご参加下さい。なお、今回は事情により開催が第四金曜日になっています。ご了承ください。
  1. 日 時:2005年3月25日(金) 16:00-18:00
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所・共同棟3階セミナー室
  3. 話題提供者:吉本忍(国立民族学博物館)
  4. タイトル:テキスタイルに見る東南アジアの特殊性と普遍性
  5. 要 旨:
    テキスタイルという物質文化を切り口として東南アジアを眺めて見ると、この地域は言語人類学の民族分類を超越した特殊な機織り文化圏として浮かびあがってくる。
    世界の伝統的な機織り技術を俯瞰したとき、東南アジアの機織り技術は、環太平洋とその周縁地域に展開する腰機をともなった機織り文化圏のうちに包括される。そうしたなかにあって、東アジアと東南アジアの機織り文化はともに中国を起源地とした機織り技術の伝播によって発展してきたと考えられる。しかし、両地域の機織り文化の起源は同一とは考えられない。このことは東南アジアとその周縁地域における機織り文化の基層に、輪状の織物を織るという機織り技術があったと考えられるものの、東アジアの機織り文化の基層には、輪状織物の痕跡がまったく見いだせないことによる。
    一方、東南アジア機織り文化圏では、イカット(かすり)や縞織物や紋織物などが普遍的に織られてきた。それらの織物のデザインについては、民族ごとに独自性が見いだされる。しかし、インドネシアのジャワ島を中心として局地的につくられてきたバティック(ジャワ更紗)については、デザイン・ソースのほとんどすべてが海外からもたらされたものであるという特殊性をそなえている。そしてさらに、そのデザインは近・現代の熱帯アフリカや東南アジアにおけるファッション素材であるプリント・テキスタイルの普遍的なデザインとして展開している。なお、そうした背景には産業革命以降のイギリスをはじめとするヨーロッパ、そしてインドと日本のテキスタイル業界の関与があり、さらに現代においてはタイや中国のテキスタイル業界も深く関わっている。
  6. *この研究会は原則として奇数月の第三金曜日に開催されます(ただし今回は第四金曜日)。7月は夏休みとし、研究会は開催しません。研究会の案内はメールを通じて行っています。お知り合いの方、とくに学部生・院生・若手研究者に、このメールを転送するなどして、案内リストへの参加をお勧めいただければ幸いです。
  7. 「東南アジアの社会と文化」研究会のホームページです。ご参照ください。
    http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/asia/chiiki-shinka/syakai-bunka/
  8. 世話人:
    杉島 敬志(京大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
    林 行夫(京大東南アジア研究所)
  9. 事務局:長津一史(京大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科) / 速水洋子(京大東南アジア研究所)
第13回東南アジア大陸山地部研究会のお知らせ
第13回東南アジア大陸山地部研究会を開催いたします。今回は、東北学院大学の谷 祐可子氏に以下のように発表していただきます。年度末のお忙しい時期かと思いますが、ふるってご参加ください。また、当日は、研究会終了後、懇親会を予定しています。こちらにも参加していただけると幸いです。
  1. 日 時:2005年3月25日(金) 16:00-18:00
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所・東棟2階セミナー室
  3. 発表タイトル: 「ミャンマー・サガイン管区におけるウルシ樹液採取者の社会 経済的特徴について」
  4. 発表者:谷 祐可子氏 / 東北学院大学経済学部(環境経済論)
  5. 問い合わせ先:
    富田晋介/ 柳澤雅之
    ホームページ: http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/mtsea/
第1回地域情報学シンポジウム開催のお知らせ
「地域研究におけるGIS/RSの可能性」
  1. 日 時:2005年3月24日(木) 13:10-17:50
  2. 詳細はこちらまで。なお、2005年3月25日(金)10:30〜16:50には、「東洋学へのコンピュータ利用」研究セミナーが開催されますので、併せてご参加ください。」
トランス・ディシプリン研究会のお知らせ
『東南アジアにおける「山地 vs.平野」の構造的理解をめざして』
自然系、社会系などの文理の垣根、さらには個別のディシプリンを越えた視点から、東南アジアにおける「山地」vs.「平地」という空間の概念的対置から考察可能なさまざまな問題を構造的に理解することがこの研究会の目的です。今回は初めての集まりということもあり、研究成果の発表というよりも、むしろこれからの研究の作戦会議的なブレーン・ストーミングをめざします。お気軽にご参加ください。
  1. 日 時:2005年3月15日(火) 13:30-
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所・東棟2階セミナー室
    「山地」と「平地」という二項対立にもとづく社会編成の比較考察は、タイをはじめとする東南アジア大陸部研究において行われ、以下のような地域・生態・社会に関する複合モデルが提出されてきました。
    平地 山地
    政治的中心 政治的周辺
    国家 少数民族
    開発 低開発
    灌漑集権社会 環境依存的小社会
    大伝統(文明) 小伝統
    定着農耕(水稲) 焼畑移動耕作(陸稲)
    単系出自集団 双系的親族範疇(キンドレッド他)
    世界宗教 アニミズム
     このような「山地」vs.「平地」という地域空間の対置にもとづく二項対立は、あくまでも静的ないし固定化したモデルであり、地域研究の精緻化にともなって総合的な再検討の時期を迎えています。本研究会では、主に以下の三つの問題を中心としながら「山地」vs.「平地」パラダイムのバージョンアップを試みるものであり、トランス・ディシプリンに加えて、トランス・リージョナルな視点から、他地域への汎用性の高い議論を目指すものです。

    1)嶼部東南アジア社会へのモデルの適用性
    2)国民国家形成のもとでの「山地」/「平地」関係の動態的変成
    3)東南アジアをこえた他地域(スラブ、アフリカ、アメリカス等)へのモデルの汎用性
  3. ディスカッサント:
    田中耕司、河野泰之、速水洋子、石川 登(京都大学東南アジア研究所)、祖田亮次(北海道大学文学部)、横山 智(熊本大学文学部)、高倉浩樹(東北大学東北アジア研究センター)、市川昌広(総合地球環境学研究所)など
  4. 呼びかけ人:石川 登(京都大学東南アジア研究所)
研究会開催のお知らせ
  1. 日 時:2005年3月7日(月) 16:00-
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟2F E207
  3. 講師:岡本真理子氏(日本福祉大学)
  4. 演題:モンゴルにおける農村経済とマイクロファイナンスの可能性
  5. 連絡先:藤田幸一(京都大学東南アジア研究所)