公募共同研究
「アジアにおける大規模自然災害の政治経済的影響に関する基礎的研究」
研究代表者:西 芳実(東京大学大学院総合文化研究科)
- 研究課題
- アジアにおける大規模自然災害の政治経済的影響に関する基礎的研究
(実施期間:平成20年度~平成21年度)
- 研究概要
- 自然災害への対応において、被災地の事情に通じた地域研究者が重要な役割を担うことが求められており、また、地域研究者のあいだでもその方法が模索されはじめています。この研究会はそのような試みの一つとして、地域研究者が被災の現場で緊急・復興支援活動に直接携わるのとは異なる災害対応への関わり方を考えます。
- この研究会は、人道支援、防災研究、地域研究をそれぞれ専門とする人々が集まり、それぞれの立場や関心に応じて、地域に対する理解を深め、また現場での支援活動をより意義のあるものにするためのアイディアを得ることを目的とします。
- 災害は日常から切り離された一時的なできごとではありません。災害は、社会が潜在的に抱える課題に作用して、通常は見えにくかったり語られなかったりする課題や構造を目にみえるかたちで人々の前に示します。被災や災害対応を見ることには、災害を直接の研究対象とすること以外に、その社会に対する理解を深めることができるという意義があります。
- また、被災者は被災前からさまざまな課題を抱えていると考えるならば、被災者にとって災害対応を被災前から抱える課題への対応と切り離すことはできません。緊急・復興支援の対象となる被災者の考え方や行動を理解するには、被災前の社会の状況や、社会の被災以外の側面、さらに被災していない地域を含めた社会の中における被災地の位置づけについての理解が欠かせません。
- この研究会は、災害を切り口に、地域研究者や実務家がそれぞれの知見をもちよることを通じて、それぞれの専門性がより豊かに発展する場を提供することをめざしています。
- 平成20-21年度の研究会
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- 研究会名:東南アジア学会緊急研究集会 「支援の現場と研究をつなぐ:2009年西スマトラ地震におけるジェンダー、コミュニティ、情報」
- 開催日:2009年11月25日(水)14:00~17:00
- 場所:東京大学駒場キャンパス18号館ホール (京王井の頭線駒場東大前駅下車)
- 趣旨説明 山本博之(京都大学地域研究統合情報センター准教授)
- 第1部 現場の情報――被災と救援
1.「2009年西スマトラ地震 被害と救援の概要」/西芳実(東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム助教)
- 2.「難民を助ける会 西スマトラ沖地震緊急支援概要」/野際紗綾子(難民を助ける会 シニア・プログラム・コーディネーター)
- 3.「ピースウィンズ・ジャパンの西スマトラ対応」/國田博史(ピースウィンズ・ジャパン 尾道事務所所長)
- 第2部 研究の情報――社会と文化
1.「現代ミナンカバウ社会におけるイスラームとアダット」 服部美奈(名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授)
- 2.「ジェンターの視点からみた西スマトラ村落コミュニティー」 山田直子(東北大学国際交流センター講師) 「2009年ジャワ島南方沖の地震―地震の仕組みと特徴/加藤照之(東京大学地震研究所)
- 第3部 討論
- 報告4:「経済の被災から被災の経済へー西ジャワの文化・社会・経済」/ 水野広祐(京都大学東南アジア研究所)
- 主催:東南アジア学会
- 共催:JST-JICA地球規模課題対応国際科学技術協力事業「インドネシアにおける地震火山の総合防災策」(グループ4-2「地域文化に即した防災・復興概念」)、文部科学省「世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業」「人道支援に対する地域研究からの国際協力と評価――被災社会との共生を実現する復興・開発をめざして」、地域研究コンソーシアム(社会連携研究会/地域研究方法論研究会)、京都大学東南アジア研究所(公募共同研究「アジアにおける大規模自然災害の政治経済的影響に関する基礎的研究」)
- 後援:ジャパン・プラットフォーム
- 研究会名:研究会「古都の震災」
- 開催日:2009年11月21日(土)14:30-18:00
- 場所:京都大学稲盛財団記念館2階213号室
- プログラム
- 趣旨説明 14:30-14:45
- <第一部 被害と緊急対応 14:45-16:15>
- 報告1「西スマトラ地震の被害状況:防災の観点から」(仮題)
- 後藤洋三(東京大学地震研究所)
- 報告2「西スマトラ地震における現地社会の対応」
- 西芳実(東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障プログラム」)
- 報告3「西スマトラ地震被災者支援:NGOの視点から」
- 折居徳正((社)日本国際民間協力会(NICCO))
- コメント 加藤剛(龍谷大学)
- 休憩 16:15-16:30
- <第二部 防災における情報技術の活用 16:30-18:00>
- 報告1「パダンの都市形成と建築遺産―震災復興にむけて」
- 村松伸(総合地球環境学研究所)・谷川竜一(東京大学生産技術研究所)
- 報告2「災害地域情報のデジタル・アーカイブ化」
- 山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
- 報告3「津波避難シミュレーションの防災教育への適用」
- 後藤洋三(東京大学地震研究所)
- コメント 牧紀男(京都大学防災研究所)
- 主 催:京都大学東南アジア研究所(公募共同研究「アジアにおける大規模自然災害の政治経済的影響に関する基礎的研究」)/京都大学地域研究統合情報センター(地域研萌芽「地域情報学の表現形態に関する研究」)
- 共 催:JST-JICA地球規模課題対応国際科学技術協力事業「インドネシアにおける地震火山の総合防災策」(グループ4-2「地域文化に即した防災・復興概念」)
- 研究会名:「防災・復興・災害研究への総合的アプローチ――2009 年西ジャワ震災の事例から」
- 開催日:2009年9月26日(土) 15:30-18:00
- 場所:東京大学地震研究所1号館3階セミナー室
- 報告1:インドネシアにおける地震火山の総合防災策―科学技術協力を通じた国際協力」/佐竹健治(東京大学地震研究所)
- 報告2:「2009年ジャワ島南方沖の地震―地震の仕組みと特徴/加藤照之(東京大学地震研究所)
- 報告3:「2009年西ジャワ震災に見る災害対応と防災意識」/ 西芳実(東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム)
- 報告4:「経済の被災から被災の経済へー西ジャワの文化・社会・経済」/ 水野広祐(京都大学東南アジア研究所)
- 司会:山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
- 共催:京都大学東南アジア研究所公募共同研究「アジアにおける大規模自然災害の政治経済的影響に関する基礎的研究」/地域研究コンソーシアム地域研究方法論研究会/JST-JICA地域規模課題対応国際科学技術協力事業「インドネシアにおける地震火山の総合防災策」
- 研究会名:「災害対策と地域研究-2008年ミャンマー・サイクロン被害の事例から」
- 開催日:平成21年1月19日 14:00 - 17:00
- 場所:京都大学稲盛財団記念館小会議室Ⅰ
- 報告1:「サイクロンナルギス被災者支援:NGOの視点から」/山本理夏(特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン)
- 報告2:「ミャンマー国エーヤワディデルダにおけるサイクロンナルギスの被害と復興支援」/齋藤哲也(JICA専門家/日本工営株式会社)
- 報告3:「サイクロン被害による人々の生活の変容と支援」/ 飯國有佳子(法政大学非常勤講師/国立民族学博物館外来研究員)
- コメント1:岡本郁子(アジア経済研究所)
- コメント2:藤田幸一(京都大学東南アジア研究所)
- 研究会名:「アジアにおける自然災害と政治経済変動」(アジア政経学会全国大会共通論題)
- 開催日:平成20年10月12日
- 場所:神戸学院大学
- 報告1:「インドネシア・スマトラ沖地震津波:紛争下の人道支援と災害対応」/ 西 芳実 (東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム)
- 報告2:「ミャンマー・サイクロン災害:政治化された災害と不信の連鎖」/ 岡本 郁子 (アジア経済研究所)
- 報告3:「中国・四川大震災:その政治・経済政策への影響」/ 田中 修 (財務省財務総合政策研究所)
- コメント1:「災害・防災研究の視点から」/牧 紀男(京都大学防災研究所)
- コメント2:「神戸震災の経験を踏まえて」/地主敏樹(神戸大学大学院経済研究科)
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