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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

スタッフ紹介

スタッフ紹介

甲山 治 (こうざん おさむ)

  • 人間生態相関研究部門
  • 准教授

現在の研究関心

  1. アラル海流域における気候変動および人間活動が流域水循環に与える影響の評価

気象観測サイトは地域住民と共同で維持されている。サイト周辺のウズベキスタン・キジルクム砂漠では塩水を利用した実験的な農業を行っており、得られたデータは地域住民にも提供されている

世界で4番目に大きな湖であったアラル海には二つの大河川、シルダリアとアムダリアが流入している。しかし、1960年代にソビエト連邦が両河川の中・下流域に広がる広大なステップにおいて大規模灌漑を行った結果、アラル海は急激に縮小した。その過程で流域環境と生態系の悪化が引き起こされ、アラル海生息魚類の死滅や流域住民が健康被害を受けるなどの事態が発生している。さらには、1991年にソビエト連邦が崩壊すると流域各国が独立し、二つの大河の水利用に関して流域国間に深刻な水紛争が持ち上がった。
そこで流域の水循環に焦点をあて、様々なスケールの水管理が及ぼす影響だけでなく、全球的な気候変動がアラル海流域に与える影響も合わせて解析している。アラル海における気象データは過去30年間に強い気温上昇を示しており、それが春季の融雪早期化および植生の変化を促している。
これらの問題を明らかにするために、長期間の水文・気象データおよび衛星データ解析を行っている。さらには、水循環システムを理解するモデル構築のために、2006年からウズベキスタン・キジルクム砂漠において気象観測を開始している。