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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

スタッフ紹介

スタッフ紹介

嶋田 奈穂子(しまだ なほこ)

  • 地域研究情報ネットワーク部
  • 実践型地域研究推進室
  • 特任研究員

現在の研究関心

  1. 琵琶湖の現状に対する琵琶湖漁師の姿勢
  2. 琵琶湖の在来魚の活用
  3. 神社立地に関する研究

琵琶湖でのエリ漁の風景〈2007年6月の早朝〉。エリ漁の網を手繰り寄せる漁師。この日、一つのエリに集まった魚は約100 kg。そのうち30kg は外来魚

慢性的とさえ思われる琵琶湖の環境に関わる諸問題に対して、これまで様々な機関や団体が解決策を講じ、実践してきた。琵琶湖の漁師もまた、その一人である。この中で私が注目するのは、琵琶湖に対する漁師の姿勢である。他機関・他団体とは少し異なっている。もちろん、琵琶湖の回復にむけての真摯な取り組みは、漁師のみならず、全ての機関・団体の活動に共通する姿である。しかし、そのような他者とは異なる漁師の姿というものが存在する。それを、琵琶湖が汚染され、あるいは外来魚によって在来魚が駆逐される中で見ることができるのである。漁師たちは“琵琶湖が受けた傷は、自身の傷”として痛みを感じ、腹を立て、気が気でなくなるのである。琵琶湖で起こる現象は、自分の家の庭で起こる出来事と同じであるという。つまり、彼らは琵琶湖の当事者なのである。<
漁師は、catch & eat と称して外来魚を食べることに賛成しない。外来魚は食べるなというのである。何故?と多くの人は思うに違いない。私の関心は、漁師と我々のこの見解の違いにある。滋賀県の伝統食といわれるフナズシを切り口に、琵琶湖やそれにまつわる文化に対する漁師独自の視点を探り、琵琶湖の現状を考えてみたい。