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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

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科研費プロジェクト

「半乾燥地における水資源管理の変容が農業水利及び地下水涵養に与える影響評価」
研究代表者:佐藤孝宏

研究目的
州土の多くが年間降水量700〜1000mm程度の半乾燥地域であるインド・タミルナードゥ州では、局地集中的な降雨を安定利用するために、ため池灌漑システムが古くから発達してきた。表面流出は土砂流出も伴うため、ため池の利用には頻繁な維持管理作業が不可欠である。かつては、村落社会構造に立脚した管理制度が存在し、同システムの持続的利用を支えてきたが、受益地における作目の変化や都市移動に伴う村落社会構造の変化は、個人用井戸の増加を促すと同時に、地域共有資源であるため池の衰退を招いている。
 上記のような状況の下、国際機関やNGOが住民組織によるため池管理の導入を条件とした援助プログラムを1980年代より試みている。本研究では、経済自由化以降の産業構造変容過程において、上記のようなプログラムが農業水利などにいかなる影響を与えるのかを考察するため、同一河川流域の複数のため池利用村落において調査を行い、水循環を考慮に入れた社会シミュレーションを行おうとするものである。