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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

研究プロジェクト

地域研究コンソーシアム

地域研究コンソーシアム概要

地域研究コンソーシアム(JCAS)は、世界の諸地域に関心のある研究・教育組織やNGOなどからなる協議体です。幅広いアカデミック・コミュニティに立脚しつつ、グローバル・イシューに対応する新しい地域研究の推進、その成果の社会に向けての発信、アカデミック・コミュニティと社会との双方向の連携をめざします。

地域に関する研究には、現地社会に密着した基礎研究が不可欠であると同時に、世界的規模で展開するさまざまな複合現象を広く見わたしてとらえることが要求されます。そのためには学際的・融合的な取り組み、専門を異にする研究者の連携、それを可能にする研究体制の構築が急務です。開かれた協議体JGASは、それにこたえるための機動力を兼ね備えた有機的なネットワークです。

JCASへの加盟によって、統合的な地域研究プロジェクトの効率的実施、産学官連携などの幅広いネットワーク形成、社会への知的貢献、大学院教育や次世代研究者育成のための新制度創出の検討などが既存の組織の壁を超え、共通のリソースを活用する形で可能となります。

当研究所は、幹事組織として、JCASの運営において先導的な役割を担っています。

情報資源共有化研究会

戦後、日本の地域研究は中国を中心とする東アジア研究だけではなく、世界の諸地域へとその対象を広げてきました。対象地域の裾野が広がる中で、地域研究関連機関および地域研究者個人は、数々の制約下で各々の理想に基づき、研究の根幹を支える資料収集に力を尽くして今日に至っています。これらの収集活動は確実な成果を挙げましたが、収集資料を組織や個人の枠組みを超えて共有することには力点が注がれてきませんでした。

このような現状を打破するため、地域研究コンソーシアムでは、地域研究関連機関・地域研究者・資料収集担当者が地域研究情報資源の収集と共有に関する歴史と現状を確認し、今後の地域研究推進の基盤となる情報資源の共有化を推進することが不可欠だと考えています。そこで、平成16年12月16日に「情報資源共有化研究会」を発足させました。「情報資源共有化研究会」は、地域研究コンソーシアム加盟機関を中心とし、地域研究の情報資源共有化を促進するための議論と実践の場となることを目指します。

活動は、定期的な研究会の開催と、スタディーツアーや研修による人材育成からなり、共通のテーマとして、以下のテーマを掲げています。

① 地域研究上有用な情報資源の収集・整理・保存・利用方法
② 多言語・多メディア地域研究情報資料への対応
③ 各種資料保存施設(博物館・文書館・図書館)の連携
④ 情報技術を活用した情報資源共有化の手法開発
⑤ 地域研究情報専門職の人材育成

本研究会は、地域研究、情報学、図書館学を跨ぐ以下のようなトピックについて、共同研究を進めたいと考えています。

本研究会での研究トピック:
情報資源共有化、地域と出版事情、多言語情報処理、マルチメディア情報資源、知的財産権・著作権課題、歴史・文化・芸術資料のデジタル保存、情報資源の共同収集、アーカイブの保存と共有、レファレンスサービス、情報資源と教育、地域の歴史と情報資源収集・保存の意義、人材育成
連絡先:
兎内(とない) 北海道大学スラブ研究センター
北村 京都大学東南アジア研究所

地域情報学研究会

近年の情報通信技術(ICT)の進歩に伴い、人文・社会・自然各分野の諸学においても情報技術を利用した多様な研究が進められ、数多くの成果が挙げられています。これら諸学への情報技術の応用は、いまや人文・社会・自然各分野の諸学問との学際領域を形成する広領域の一分野としての情報学(Informatics)として発展してきています。

一方、地域研究は、自然生態・環境、人類生態、社会・歴史・文化、経済・政治など人文・社会・自然各分野の諸学問のすべてを包摂しています。これらの研究において、地理情報システム(GIS:Geographical Information System)やリモートセンシング(RS:Remote Sensing)の活用に見られるように、情報学を積極的に採り入れた先駆的な研究もありますが、まだ十分な実例・経験・研究成果が蓄積されているとは言い難いのが現状です。今後の研究活動の中で情報学が地域研究に新たなアプローチや知見を与え、地域研究への応用を通じて情報学のさらなる展開をリードするよう研究活動を進展させていくことが必要です。

地域研究コンソーシアム・地域情報学研究会は、こうした地域研究と情報学の現状を鑑み、「地域情報学 (Area Informatics)」を創出、構築することが課題だと考えています。本研究会活動では、情報通信技術を利用した地域研究の事例や研究成果を持ちより、「地域情報学」の構築に向けた経験交流を行うとともに、その体系について討論を深め、地域研究と情報学のコラボレーションと融合を目指します。