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国際交流バンコク・ジャカルタ連絡事務所バンコク連絡事務所バンコク連絡事務所は1963年に開設されました。それ以来、東南アジア研究所や関連部局・機関の教員が交代で駐在し、現地の研究機関や研究者との交流の拠点として活発な活動を展開してきました。開設当初はまさに現地調査のベースキャンプとしての役割が重視されましたが、交通・通信手段の発達、現地国の受け入れ態勢の変化、日本側研究者の多様化につれて連絡事務所の役割も変化してきました。近年の連絡事務所の役割は、情報収集拠点、情報発信拠点、現地調査のベースキャンプの3つに大きく分けることができます。 連絡事務所の最も重要な機能は情報収集です。現地語図書や現地国の統計資料・地図類は主として連絡事務所を経由して購入しています。購入する物品を事前に確認することにより、より有用な資料を効率的に収集することができます。また現地研究者との日常的な接触を通じて、National Research Council of Thailandやチュラロンコン大学、タマサート大学、カセサート大学、チェンマイ大学、コンケン大学などの現地研究機関や現地研究者の学術動向を収集しています。 情報発信拠点としての機能強化は、近年、強く認識されるようになりました。そのため、ワークショップやレセプションを開催し、幅広い分野の現地研究者との学術交流を深めています。また現地機関や研究者からのさまざまな問い合わせの窓口となっています。このような活動は、タイにおける東南アジア研究所のプレゼンスを高めるうえで多大な貢献をしています。 さらにベースキャンプとしての機能も未だ重要です。研究許可の取得からカウンターパートとの折衝、ロジスティックの手配、事故の際の対応など、円滑にフィールドワークを実施するためのサポートを必要に応じて提供しています。 これまで、バンコク連絡事務所はタイとの交流拠点と認識されてきました。しかし所員の研究関心は、近年、急速にタイ以外の東南アジア大陸部諸国へと拡大しつつあります。そこでバンコク連絡事務所は、東南アジア大陸部の交流拠点として、より活発な活動を周辺国をも視野に入れて展開できるよう、連絡事務所のさまざまな態勢を見直しつつあります。 ジャカルタ連絡事務所ジャカルタ連絡事務所は、1970年10月に、ジャカルタのクバヨラン・バルのラジャサ通りに非公式に開設され、1973年に運営経費が国の予算として認められて正式な開設の運びとなりました。その後、一度ジャカルタのメンテン地区で開設されたことを除けば、クバヨラン・バル地区内で事務所を構えてきました。 東南アジア研究センター(当時)では、1983年度に「東南アジア諸国現代政治・社会動向分析のための地域資料緊急整備5カ年計画」が発足し、東南アジア諸語の資料収集を開始しました。ジャカルタ連絡事務所は、この計画の一環として、インドネシア語やジャワ語などの現地の言語で書かれた資料およびオランダ語の資料、さらに統計類の収集を開始しました。これらの図書の収集は今日まで継続しており、ジャカルタ連絡事務所の重要な業務となっています。 官制化以前からの開設は、1968年よりインドネシア科学院(LIPI)傘下のLEKNAS(社会経済研究所)と共同で実施されていた南スマトラ州地域経済調査を円滑に実施するという目的もありました。以降も、ジャカルタ連絡事務所は東南アジア研究所とインドネシア各地の大学等研究機関との共同研究の円滑化を図ってきました。今日、東南アジア研究所は、ハサヌディン大学、インドネシア科学院,ボゴール農業大学、インドネシア国立国土地理調査機構と研究交流協定を結び、また科研プロジェクトなどでその他の研究機関とも共同研究を実施しており、その円滑な推進のためジャカルタ連絡事務所が大いに活用されています。 また、ジャカルタ連絡事務所は、東南アジア研究所のみならず学内の他の部局や国内の他の研究機関のインドネシアにおける研究や教育の円滑化にも協力してきました。具体的には、これら研究機関が調査許可を取得するための支援や, インドネシアから日本への留学生や研究者の派遣に対する支援、インドネシアの教育機関による日本側との共同研究への助言などです。さらに、ジャカルタ連絡事務所はジャカルタにおけるセミナーの開催なども実施してきました。今後は、インドネシアの関連機関との研究協力関係のみならず、東南アジア島嶼部各地との連携を強化する拠点として活用することも構想しています。 |
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