第25回 2001年度テーマ
『東南アジアの歴史万華鏡 −21世紀を迎えて−」』
2001年度は9月3日(月)〜7日(金)に開催されました。
内容
文献史学に限定されない、学際的でフィールドワークを駆使した歴史への視点を交えながら、東南アジア地域の一貫性と多様性を考える。前半では、まず自然資源の分布と交易を中心に東南アジア地域を広域的に把握する。そして、技術と生活を通してミクロな村落のレベルとマクロな地域とを結び、「モノの流れ・人・技術」から東南アジア地域の生成過程を歴史的に検証する。社会・文化的側面からアプローチする後半では、まず「集団の歴史意識と表象」として、言語・芸能・儀礼を通して民族などの集団の歴史意識をたどり、同時にそれらの歴史資料としての面白さを発見する。また、為政者中心の正史の中では記されることのない人々について、その思想と実践を通して別の視点からの歴史を考える。最後に、地域単位としての東南アジアを歴史的な観点から考察し、過去から現在、そして未来へとつながる東南アジアの研究のあり方を議論する。
このセミナーを通じて、受講者が東南アジアの来し方を、多様な着眼点から考える面白さを味わうとともに、新世紀に向けた東南アジアの臨地研究のあり方への模索のプロセスに受講者全員が関わることができる。
討論の時間を十分に持ち、受講者の積極的な参加を期待します。
プログラム
東南アジアの交易と他地域との関係史 |
濱下武志(CSEAS) |
山地資源と東南アジアの交易史 |
ディアナ・ドノバン(CSEAS) |
海産資源から見た地域の歴史 |
赤嶺淳(名古屋市立大人文社会学部) |
技術からみた地域の歴史 |
クリスチャン・ダニエルス
(東京外語大アジア・アフリカ言語文化研究所) |
村落生活からみた地域の歴史 |
桜井由躬雄(東京大学大学院人文社会系研究科) |
言語の分布と地域の歴史 |
新谷忠彦(東京外語大アジア・アフリカ言語文化研究所) |
芸能にみる歴史意識 |
馬場雄司(三重県立看護大看護学部) |
儀礼にみる歴史意識 |
永渕康之(名古屋工大工学部) |
マイノリティと歴史叙述 |
キャロライン・ハウ(CSEAS) |
オーラリティと地域の歴史 |
林行夫(CSEAS) |
女性のオーラルヒストリー |
石井正子(国立民族学博物館地域研) |
生態学からみた東南アジア:過去と未来 |
田中耕司(CSEAS) |
歴史学と21世紀の東南アジア研究 |
桃木至朗(大阪大文学部) |
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