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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

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2010年度東南アジアセミナー

 第34回 2010年度テーマ
    『赤道域東南アジアから発信する生存基盤持続型の社会』

開催期間:9月20日(月)〜23日(木)

開催場所:LIPI Jakarta Office, Jakarta, Indonesia(Jalan Jendral Gatot Subroto 10 Jakarta Selatan 12710, Indonesia)

当研究所におきましては、毎年、夏季休暇中に「東南アジアセミナー」を開催し、東南アジアに関心を持つ若手研究者、学生、院生、一般の方々の参加を募ってきました。本年度も、第34回「東南アジアセミナー」を開催し、受講者を募集しますので、ご案内申し上げます。

なお、本セミナーはインドネシア科学技術院LIPIが行っているICIAR (International Centre for Interdisciplinary and Advanced Research) プログラムと共催で行うほか、日本学術振興会・グローバルCOEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す研究拠点」およびアジア教育拠点事業「グローバル時代における文明共生:東南アジア社会発展モデルの構築」が協賛しております。

内容

21世紀は熱帯の世紀である。化石資源に替わるエネルギー源や物質材料として、太陽エネルギーやバイオマスなどの再生可能資源が世界人口と世界経済を支えるようになるに違いない。このような低炭素社会を実現するための技術開発は急速に進展している。同時に、再生可能資源の獲得競争も激化している。

インドネシアを中心とする赤道域東南アジアは、世界で最も水・熱循環の盛んな地域である。しかもインドネシアの多くの島とそれらを取り囲む浅い海は,海洋的とも大陸的ともいえない独特な自然環境を形成しており、海洋大陸と称される.海洋大陸は世界で最も再生可能資源に恵まれた地域であり,インドネシアにおけるオイルパーム・プランテーションや大規模人工造林の急速な拡大は、新たな資源獲得競争の表れである。

インドネシアの熱帯雨林は地球上で有数の生物多様性をもつとともに,陸域における大気中の炭素の貯蔵庫としても重要な地域である。FAO(国際連合食糧農業機関)のデータによると、1990年以降、森林面積の24%、自然林の31%が消失した一方、プランテーション面積が220万ヘクタールから340万ヘクタールへと増大した。これほど大規模な土地利用および地表面の改変は、不可逆的な変化を引き起こす可能性がある。

本セミナーは、持続可能性とバイオマス生産という視座に立って、赤道域東南アジア,とりわけインドネシアの自然環境と地域社会の展開過程を検証する.さらにはインドネシア社会が潜在的な資源大国として健全に発展する可能性について,議論することを目的とするものである。世界的な資源・エネルギーとグローバル経済の転換を踏まえ、持続の社会に向けた構想を赤道域東南アジアから発信する試みである。

初日は,講演者がインドネシアにおける今日的な課題を発表し,全参加者での情報の共有を行う.二日目は,インドネシアの自然の特徴を再認識するとともに,今後の自然利用の新しい方向性を議論する.三日目は,生存基盤持続型の社会を実現するうえでの新しいコンセプトの提案を試みる.最終日は,研究と地域での実践をつなぐ新たな仕組みを話し合う予定である。

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