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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

研究プロジェクト

科研費プロジェクト

「タイ・ミャンマー国境域移動者の生活実践:少数民族の社会ネットワークと文化再生産」
研究代表者:速水 洋子

研究概要
タイ・ミャンマー国境沿いには難民キャンプとと もに、特に90年代より安価な労働力を求めて工場 地区が形成された。現在タイ全土で200万人と言 われるミャンマー人労働者は、低賃金で3D(dirty, dangerous, difficult)と言われる労働に従事する。こ れに対して国境経済圏の経済的効用や、制度的基盤と しての移動者の登録制度など政策に関する研究が行わ れてきた一方、移動者自身の生活実態については過酷 で不安定な境域の状況に関する人権報道が中心であっ た。歴史的に常に顕著な移動に特徴づけられるこの境 域で、今日の状況がどのような移動者による社会・文 化的な対応を生み出しているのか。跨境域を生活の場 とする人々、とりわけ少数民族がどのように社会ネッ トワークや文化の再編によって対応し、ボーダーレス と言われる現代にあって境域の形成に関与しているの か、それは国家単位の制度に対してどのような力とな りうるのかを問う。