京都大学東南アジア研究所ナビゲーションをスキップしてコンテンツへ 日本語 | English
サイトマップ | ローカルページ
Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

研究プロジェクト

科研費プロジェクト

「耐乾性外来樹の拡大と地域水文/経済への影響」
研究代表者:佐藤 孝宏

研究概要
インド・タミルナードゥ州は、その多くが年間降水 量1,000mm以下の半乾燥地域である。90年代以降 の市場経済浸透と井戸灌漑拡大の結果、降水量が相対 的に低い下流域において、耕作放棄が顕著に認めら れるようになった。耕作放棄された土地では、プロソ ピス(Prosopis juliflora) というマメ科外来樹が繁茂 していることが多い。この樹木はアレロパシー作用や 高い要水量を有しているとされ、農業生産に対し負 の作用を持つと考えられている。その一方で、同樹 木は薪炭材や木炭の原料として利用されており、土 地所有者に雑穀栽培と同等の収益を無投資でもたら し、農業労働者に乾季中の労働機会を提供するなど、 地域住民のセーフティネットとしても機能している。 本研究ではプロソピスの占有面積拡大が地域住民の 暮らしに与える影響を生態学的側面と経済学的側面 の双方から検討し、同地域の持続可能な発展につい て考察することを目的とする。