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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

スタッフ紹介

スタッフ紹介

中口 義次(なかぐち よしつぐ)

  • 人間生態相関研究部門
  • 助教
  • 病原細菌学,分子遺伝学,分子疫学
  • 島根大学農学部,1997.
    京都大学博士(医学),2003.

現在の研究関心

  1. アジアにおける腸管感染症原因細菌のダイナミズムと地域性
  2. 食中毒原因細菌に着目した「食の安全」
  3. 食中毒原因細菌のリスクアセスメントに基づいた迅速・高感度な検出法の開発

腸管感染症の原因となる病原細菌で汚染された可能性のあるであっても一般に販売されている〈タイ南部スラータニ県〉

太古の昔から、人類は数多くの感染症に悩まされてきた。生活・衛生環境の改善、抗生物質の発見、医療水準の向上により、いくつかの感染症は克服された。しかし近年、新興感染症、再興感染症、食の安全と感染症、気候変動と感染症などのさまざまな問題も生じている。腸管感染症(下痢症)は、衛生環境が整備された現在でも人および地域の食文化に深く関与している。この感染症の病原体は環境中にも存在し、それらが食品を汚染し、そこで増殖して、食べた人に病気を引き起こす。このような感染経路を理解し、さらに地域特有の事情を分析した上で、感染症の発生および拡がりを捉えることは、地域に暮らす人々の健康を考える上で重要である。
下痢症は先進国では、衛生環境の整備、食品の生産・管理技術の向上、人々への啓発活動、医療水準の向上などにより、年々減少している。一方、発展途上国が多い東南アジアでは、その温暖な気候、感染症に対する教育や情報の不足、低い医療水準や食品保存技術の未整備などからも、このような下痢症が発生しやすい状況にある。
遺伝子検査法による病原菌の検出、フィンガープリント解析による分子疫学的な比較、迅速・高感度なリアルタイムモニタリングによる病原菌のダイナミズムを解析することにより、ミクロな現象の地球規模・地域規模での拡がりを捉えることを目指している。