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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

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科研費プロジェクト

「東南アジアで越境する感染症:多角的要因解析に基づく地域特異性の解明」
研究代表者: 西渕 光昭

  • 出版:著書/論文/その他の出版物
研究目的
東南アジアでは、国境を越えて伝播し、相当数の患者が発生している重要な感染症が古くから知られている。このことはそこで実施されている感染症対策が未だに機能していないことを意味しているので、その現状を正確に把握して理由を明らかにする必要がある。このような感染症の発生と伝播には、微生物学的要因(病原体の分布)のみならず多くの地域特異的要因が関係するので、これらの要因およびその相互関係を明らかにすることは感染症対策を講じるために重要である。
本研究では、東南アジアで越境する新型腸管感染症が多発している代表地域あるいは菌の分布地域および関連地域で調査を行い、時間軸を含めた伝播ルートを明らかにする。また、タイ・ミャンマー国境やインドネシア・マレーシア国境でマラリアが、労働者の国境移動などに伴って越境している現状を明らかにする。さらに、これらの地域において、対象とする感染症の発生と伝播に影響を及ぼす重要な要因(自然環境要因、生活環境要因、文化的要因、社会的要因、経済的要因、および政治的要因)および感染症の発生と伝播による生活・社会への影響を明らかにして、東南アジアの地域特異性をまとめる。
研究組織
  • 研究代表者
    1. 西渕 光昭 (京都大学東南アジア研究所 教授)
      腸管感染症伝播の現状調査、生活環境要因の解析、腸管感染症の総括
  • 研究分担者
    1. 河野 泰之 (京都大学東南アジア研究所 教授)
      自然環境要因および生活環境要因の解析
    2. 速水 洋子 (京都大学東南アジア研究所 教授)
      文化的要因の影響解析、生活・社会への影響調査
    3. 藤田 幸一 (京都大学東南アジア研究所 教授)
      経済活動との関係解析(東南アジア周辺諸国)
    4. 石川 登(京都大学東南アジア研究所 准教授)
      マラリア感染症伝播の現状調査および総括
    5. 岡本 正明 (京都大学東南アジア研究所 准教授)
      国家・国際機関の制度設計分析
    6. 中口 義次 (京都大学東南アジア研究所 助教)
      腸管感染症伝播の現状調査、生活環境要因の解析
  • 研究協力者
    1. 岩出 義人 (三重県保健環境研究所微生物研究課 主幹研究員)
      食中毒予防に関する調査研究
    2. 遠藤 環 (埼玉大学経済学部 講師)
      商品連鎖プロセス調査
    3. 渡邉 一哉 (京都大学東南アジア研究所 研究員)
      自然環境要因および生活環境要因の解析
    4. 森下 明子 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科 研究員)
      労働移動データ収集
    5. 小板橋 努 (アジア食品安全研究センター 顧問/青島中検誠誉食品検測有限公司 総経理助理)
      腸管感染症伝播の現状調査
    6. 吉川 みな子 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 大学院生)
      感染症に関する国家・国際機関の制度設計分析
    7. 清水 理香 (京都大学大学院医学研究科 大学院生)
      腸管感染症伝播の現状調査
    8. 島田 佳苗 (京都大学大学院医学研究科 大学院生)
      腸管感染症伝播の現状調査
    9. RADU, Son (マレーシアプトラ大学食品科学バイオテクノロジー学部 教授)
      腸管感染症伝播の現状調査
    10. VUDDHAKUL, Varaporn  (ソンクラ大学 [タイ] 理学部微生物学講座 准教授)
      タイおよびマレーシアにおける腸管感染症伝播の現状調査
    11. MARLINA (アンダラス大学 [インドネシア] 理学部 講師)
      インドネシアおよびマレーシアにおける腸管感染症伝播の現状調査
    12. DJAMAL, Abdul Aziz (アンダラス大学 [インドネシア] 医学部 助教授)
      インドネシアにおける腸管感染症伝播の現状調査
研究成果/フィールド調査
  1. 調査期間:平成20年4月27 日- 5月2日
  2. 調査地域:タイ南部(調査報告:PDF
  3. 調査者名:西渕光昭、Varaporn Vuddhakul
  1. 調査期間:平成20年5月5 -9日
  2. 調査地域:シンガポール(調査報告:PDF
  3. 調査者名:吉川みな子
  1. 調査期間:平成20年7月28 - 8月23日
  2. 調査地域:パダン市(インドネシア、西スマトラ州)(調査報告:PDF
  3. 調査者名:清水理香、A. Aziz Djamal
  1. 調査期間:平成20年9月1 -15日
  2. 調査地域:シンガポール(臨地調査サマリー:PDF/JSPP21研修:PDF/媒介蚊対策プログラム:PDF
  3. 調査者名:吉川みな子
  1. 調査期間:平成20年9月8 -19日
  2. 調査地域:タイ スラタニ県(調査報告:PDF
  3. 調査者名:河野泰之、中口義次、渡邉一哉
  1. 調査期間:平成20年12月16 -23日
  2. 調査地域:タイ(調査報告:PDF
  3. 調査者名:藤田幸一、遠藤環、岡本郁子、山田美和(アジア経済研究所)
  1. 調査期間:平成21年2月10 -13日(西渕光昭)
  2. 調査期間:平成21年2月10 -17日 (吉川みな子)
  3. 調査地域:中華人民共和国香港特別行政区(調査報告サマリー:PDF
  4. 調査者名:西渕光昭・吉川みな子
  1. 調査期間:平成21年3月5 -20日
  2. 調査地域:シンガポール(調査報告サマリー:PDF
  3. 調査者名:吉川みな子
  1.  
研究成果/セミナー・シンポジウム・ワークショップ等
  1. 開催日:平成20年11月10日(月) 14:00-
  2. 研究会名:西渕科研基盤(S)研究会
  3. 報告者:Balbir Singh (Malaria Research Centre, Faculty of Medicine & Health Sciences, University Malaysia Sarawak, Kuching, Sarawak, Malaysia)
  4. テーマ:Malaria, Monkeys, Man & Malaysia(報告要旨:PDF
  1. 開催日:平成20年11月12-13日
  2. 研究会名:ワークショップ 「微生物学的リスクアセスメント」
  3. 開催場所:マレーシアプトラ大学
  4. 共催:マレーシアプトラ大学食品安全研究センター(Radu, S.)、京都大学東南アジア研究所(西渕光昭)
  5. 講演者:西渕光昭 (報告書:PDF/パンフレット:PDF
  6. 協力者:吉川みな子、清水理香
  1. 開催日:平成21年1月10日(土) 14:00-
  2. 研究会名::西渕科研基盤(S)研究会
  3. 報告者:MA. LUCILA A. LAPAR ベトナムILRI(International Livestock Research Institute)
  4. テーマ:"Livestock Sector Development in Vietnam and Emerging Issues about Food Safety" (報告要旨: PDF
  5. 報告者:瀬尾 晃司 (京都大学 医学部)
  6. テーマ:「タイ南部ハジャイ市で市販されている二枚貝の腸炎ビブリオ世界的大流行株の汚染調査」
  7. 報告者:清水 理香 (京都大学大学院 医学研究科)
  8. テーマ:「インドネシア・パダン市および周辺地区の腸炎ビブリオ感染症調査」
  9. 報告者:吉川 みな子 (京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科)
  10. テーマ:「シンガポールにおけるチクングニヤ熱国内流行:政治的意志を体現する都市国家の対策」
  11. 報告者:遠藤 環 (埼玉大学)
  12. テーマ: 「タイの水産物流通-エビを中心に-」
  13. 報告者: 藤田幸一 (京大 東南アジア研)
  14. テーマ: 「タイ・ラノーンにおけるミャンマー人労働者-予備調査報告-」
  1.  
研究成果/出版
論文謝辞にKAKENHI(191010)を記載
  1. *Muhammad, K., and M. Nishibuchi. 2008. Detection and characterization of a functional insertion sequence, ISVpa2, in Vibrio parahaemolyticus. Gene. 409: 92-99.
  1. 西渕光昭中口義次小板橋努. 2008. アジアの環境水と食品の衛生状態:下痢症を指標として生活様式との関係を見る. クリーンテクノロジー. 18(1): 50-53.
  1. *Chai, L. C., A. B. Fatimah, F. M. Ghazali, H. Y. Lee, R. Tunung, A. T. Shamsinar, R. A. S. Laila, A. Z. Thahirahtul, P. M. Malakar, Y. Nakaguchi, M. Nishibuchi, and R. Son. 2008. Biosafety of Campylobacter jejuni from raw vegetables consumed as Ulam with reference to their resistance to antibiotics. Int. Food Res. J. 15(2):125-134.
  1. *Koitabashi, T., S. Cui, K. Muhammad, and M. Nishibuchi. 2008.Isolation and characterization of the Shiga toxin gene (stx)-bearing Escherichia coli O157 and non-O157 from retail meats in Shandong Province, China and characterization of the O157-derived stx2 phages. J. Food Prot.71(4):706-713.
  1. *Nishioka, T., M. Kamruzzaman, M. Nishibuchi, and Y. Satta. 2008. On the origin and function of an insertion element VPaI-1 specific to post-1995 pandemic Vibrio parahaemolyticus strains. Genes & Genetic Systems, 83(2):101-110.
  1. 西渕光昭. 2008. アジアの環境と食品の安全. 食衛誌 48(6): J-414-416.
  1. *Yamamoto, A., J. Iwahori, V. Vuddhakul, W. Charernjiratragulc, D. Vose, K. Osaka, M. Shigematsu, H. Toyofuku, S. Yamamoto, M. Nishibuchi, F. Kasuga. 2008. Quantitative modeling for risk assessment of Vibrio parahaemolyticus in bloody clams in southern Thailand. Int. J. Food Microbiol.124(1):70-78.
  1. 中口義次小板橋努西渕光昭. 2008. ビブリオ感染症の疫学 – 海外におけるトピックス: 化学療法の領域 24(6):63-71.
  1. 西渕光昭. 2008. 食中毒の変遷と現状:発生要因および発生状況の多様化と対策. 化学療法の領域 24(7):18-19.
  1. 杉山寛治、中口義次、工藤由起子. 2008. 食中毒の変遷と現状:腸炎ビブリオ食中毒の変遷と現状. 化学療法の領域 24(7):57-66.
  1. *Kamruzzaman, M., P. Bhoopong, V. Vuddhakul, and M. Nishibuchi. 2008. Detection of a functional insertion sequence responsible for deletion of the thermostable direct hemolysin gene (tdh) in Vibrio parahaemolyticus. Gene 421: 67-73.
  1. Hai-Yen Lee, Lay-Chin
  1.  
研究成果/講演
  1. 日時:平成20年10月17日
  2. 場所:ソウル(大韓民国)
  3. 演題:Pandemic spread of the infection by a new clone of Vibrio parahaemolyticus
  4. 講演者:西渕光昭
  5. 講演会名:The 9th Korea-Japan International Symposium on Microbiology
  1. 日時:平成20年11月12日
  2. 場所:セランガー(マレーシア)
  3. 演題:Risk assessment of Vibrio parahaemolyticus in shellfish:an example of important microbiological risk assessment microbiological risk
  4. 講演者:西渕光昭
  5. 講演会名:Microbiological Risk Assessment Workshop:Quantitative Modeling for Microbial Risk Assessment (MRA)
  1. 日時:平成20年11月27日
  2. 場所:北海道大学学術交流会館
  3. 演題:環境・社会要因と感染症リスク(招待講演)
  4. 講演者:西渕光昭
  5. 講演会名:第24回日本微生物生態学会シンポジウム「環境由来の微生物リスク – 実態、評価、近未来 - 」
  1. 日時:平成20年12月20日
  2. 場所:東京大学農学部・弥生講堂一条ホール
  3. 演題:新型腸炎ビブリオクローンによる感染症の世界的大流行と魚介類の安全性(招待講演)
  4. 講演者:西渕光昭
  5. 講演会名:国際シンポジウム 「食の安全性と食品媒介感染症」 Risk Assessment (MRA)
  1.  
研究成果/学会発表
  1. 日時:平成20年10月23日
  2. 場所:富山市
  3. 発表題目:腸炎ビブリオ生菌に由来する毒素遺伝子のmRNAを標的としたTRC法による魚介類検査への応用に向けて (PDF)
  4. 発表者:中口 義次、西渕 光昭
  5. 学会名:第42回腸炎ビブリオシンポジウム
  1. 日時:平成20年10月23日
  2. 場所:富山市
  3. 発表題目:タイ南部ハジャイ市で市販されている二枚貝の腸炎ビブリオ世界的大流行株の汚染調査 (PDF)
  4. 発表者:瀬尾 晃司、Pharanai Sukhumungoon、Varaporn Vuddhakul、山崎 渉、中口 義次、西渕 光昭
  5. 学会名:第42回腸炎ビブリオシンポジウム
  1. 日時:平成20年10月23日
  2. 場所:富山市
  3. 発表題目:インドネシア・パダン市および周辺地区の腸炎ビブリオ感染症調査 (PDF)
  4. 発表者:清水 理香、A. Aziz. Djamal、Varaporn Vuddhakul、瀬尾 晃司、中口 義次、西渕 光昭
  5. 学会名:第42回腸炎ビブリオシンポジウム
  1. 日時:平成20年10月25日
  2. 場所:東京都
  3. 発表題目:シンガポールにおけるチクングニヤ熱の早期制御:政治的意志を体現する 都市国家の対策 (PDF)
  4. 発表者:吉川 みな子、西渕 光昭
  5. 学会名:第49回日本熱帯医学会大会・第23回日本国際保健医療学会学術大会 合同大会
  1. 日時:平成20年11月17日
  2. 場所:福岡
  3. 発表題目:Evaluation of combined use of probiotics, Bifidobacterium breve, on the immunogenicity of the oral, whole cell killed cholera vaccine in Bangladeshi children
  4. 発表者:松田二三子, Mohiul Islam Chowdhury, Amit Saha, Abdullah Al Tarique, 西渕光昭, Firdausi Qadri
  5. 学会名:43rd Joint Conference on Cholera and Other Bacterial Enteric Infections Panel
  1. 日時:平成20年11月17日
  2. 場所:福岡
  3. 発表題目:Detection in Southern Thailand of Shiga Toxin-producing Escherichia coli from the Beef Imported from Malaysia
  4. 発表者:Pharanai Sukhumungoon, Rattanaruji Poomwised, 西渕光昭, Natnicha Ingviya, Wilawan Charernjiratragul, Varaporn Vuddhakul
  5. 学会名:43rd Joint Conference on Cholera and Other Bacterial Enteric Infections Panel
  1. 日時:平成20年11月17日
  2. 場所:福岡
  3. 発表題目:Prevalence of Vibrio vulnificus in Thai Seafood
  4. 発表者:Rattanaruji Poomwised, Kanchana Srinitiworawong, 西渕光昭, Varaporn Vuddhakul
  5. 学会名:43rd Joint Conference on Cholera and Other Bacterial Enteric Infections Panel
  1. 日時:平成21年3月12日
  2. 場所:名古屋市
  3. 発表題目:Molluscan shellfish trade is a route of pandemic spread of Vibrio parahaemolyticus infection 
  4. 発表者:Shimada, K., Sugiyama, A. Iwade, Y., Nakaguchi, Y., Nishibuchi, M.
  5. 学会名:第82回日本細菌学会総会
  1. 日時:平成21年3月12日
  2. 場所:名古屋市
  3. 発表題目:腸炎ビブリオ生菌の毒素遺伝子mRNAを標的とした定量的検出法の応用に関する研究
  4. 発表者:中口義次、西渕光昭
  5. 学会名:第82回日本細菌学会総会
  1. 日時:平成21年3月12日
  2. 場所:名古屋市
  3. 発表題目:腸炎ビブリオ新型クローン同定用PCR法の評価および新たなPCR法の開発
  4. 発表者:清水理香、中口義次、西渕光昭
  5. 学会名:第82回日本細菌学会総会
  1.