Research Interests：

1. 民主化・地方分権化下のインドネシアにおける住民組織や労働組織と制度変化および発展の諸関係
2. 生存基盤持続的発展や、多層的地域発展による、ポスト権威主義輸出指向工業化の東アジア発展モデルの構築と、生存基盤持続型発展から見たインドネシア経済長期発展論の再構築
3. 西ジャワ・インドネシア・東南アジア経済発展における小営業と在来的発展

Research Overview：

東南アジア地域を制度と組織から捉え、具体的な問題群を、問題に適応した形で、自然資源、技術、歴史、政策を組み込んで分析し、その際、土地、労働、資本に特に注意を加えることで、地域の特性を明らかにし、同時に、地域間の比較を可能にする作業を継続している。
具体的には、スハルト大統領退陣後のインドネシアにおける地方分権化、民主化の流れの中、新たなステークホールダーとして登場した住民組織がどのようにして新しい安定的で発展を促す制度をつくるのか、という問題について、住民組織と自然資源管理や、労働組織と労使関係についてフィールドワークに基づいて考察した。また、東南アジアにおける社会運動について考察し、この地域が運動としての民主主義は活発だが、制度としての民主主義には多くの弱さがあることを明らかにした。そして、東南アジア地域において、インフォーマルセクターや農村人口が依然として多数を占めている現実と、この地域においてポピュリズム政権がしばしば生まれる現実の関係を考察した。
さらに、東南アジア経済の特質としてのファミリービジネスがつくるネットワークに注目し、2008年の金融危機以降の、ポスト輸出志向工業化の新たな経済発展の方向として、生存基盤持続型発展や安全と安心の社会をめざす多層的な地域発展を模索し、同時に、西ジャワ農村における小営業の再調査結果をふまえた長期的な経済発展における小営業と在来的発展について研究を続けている。

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